第6話 クロスベル
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「クロスベルに行ってきますね」
「じー」
「気になるのでしたら一緒に行きますか?」
「別に気になってなんかいないわ。レンにはパテル=マテルがいるんだから」
「まだ何も言ってませんよ」
グランセルでの実験終了後、結社の拠点に居たメルトだがいきなりクロスベルに行くと言い出した。
レンにとってクロスベルはとある理由ありの地だ。そんなレンの様子を見てメルトは声をかけたがあっけなく拒否された。
さて、何故クロスベルへ行くなど言い出したかというと単なるお出かけである。それ以外の理由は一切無い。
「私が一緒にいきましょうか?」
「……その格好でですか?」
そんな様子を影から見ていたアリアンロード。その格好というのは当然鎧である。
「いえ、勿論着替えます」
そう言うと女子更衣室に入るや否や一瞬で出て来た。早着替えではあるがその速度が尋常ではなかった。
メルトとレンが呆気にとられ、アリアンロードは頭上に?マークを浮かべている。
「どうしましたか?」
「着替えるの早すぎるわよ」
「これがデフォルトです」
因みにアリアンロードの格好は白をベースにしたワンピースである。普段の姿からは想像もつかないのは言うまでも無い。
それはともかくクロスベルへ向かったメルトとアリアンロードはいつもなら結社の飛行艇で秘密裏に来るが今回は鉄道で来た。
クロスベルでは身元不明でも怪しまれずに来ることが出来る。それは犯罪歴をもつものでも例外ではない。その為主にマフィアによるミラロンダリング、武器の密輸等が日常茶飯事的におきている。
「さて、まずは何処へ向かうのですか?」
「クロスベル百貨店、その次は面白そうな所を色々と行こうと思ってます」
「ついでにマイスターの所に行くのもいいかもしれませんね」
クロスベル百貨店では1階が日用品売り場、2階が服や宝石等を取り扱っている。メルトは見た目通り菓子作りが趣味である。その腕は天下一品で料理本も出版していたりする。本のタイトルは「フォールドのパティシエへの道」1,200ミラ。売れ行きは好調である。
一通り買い揃え、2階では服屋、宝飾店、靴屋を回ったが特に気にするものは無かったため店を出た。
「また何か作るのですか?」
「そうですね…最近クッキーが多かったので今度はメルト風プリンでも作ろうと思います。リアンさんは食べたこと無かったんですか?」
「残念ながらまだですね。デュバリィから聞いた話では見た目、味共にこの世のものとは思えない味だと聞いたことがあります」
「おだてすぎですよ。ちょっとお試しで出してみたら大好評だっただけです」
メルト風プリンは大きさ以外は普通のプリンである。
メルトが作るプリンの大きさは一般的なプリ
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