514部分:第七十二話 来たるべき戦いその七
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第七十二話 来たるべき戦いその七
「この国は何でも大きいんですね」
「食い物もそうですし人間も」
「そうだな。大きい」
アイオリアはそのスイカを一切れ取りながら述べた。
「これがオーストラリアなのかもな」
「オーストラリアって何か何でもかんでも大雑把っていうかでかいっていうか」
「そういう国みたいですね」
「まあこのスイカでかいだけで中身がかすかすだと思ったら」
「味いいよな」
青銅の者達はそのスイカを手に取っていた。そうしてそれを食べながら話すのだった。
「身はしっかりしてるしな」
「甘いしな」
「うん、確かに美味い」
「いい味だ」
白銀の二人も言い合いながら話していた。
そのスイカを食べ終えるとだった。アイオリアは六人に対して告げた。
「では一休みしてから行くとしよう」
「そうですね。その頃にはガソリンの給油も終わってますし」
「それなら」
ダンテとダイダロスそれに応える。
「いい時間ですね」
「丁度いい具合かと」
「そうだな。さて、それではだ」
食べ終わったスイカのその皮を皿の上に置きながらまた述べたアイオリアだった。
「これで出発したらだ」
「ええ、ですよね」
「いよいよですよね」
イロコイと山鬼が言う。
「中央部まで行って」
「それであいつ等と」
「それで、ですけれど」
「北からですよね」
クルトとオックスが問うたのは作戦のことだった。
「そこから攻めるんですよね」
「まずは」
「そうだ」
ダイダロスが彼等の言葉に答えた。
「そこから攻める。いいな」
「そうか。北からか」
「北から攻めるんだよな」
青銅の者達はそのダイダロスの言葉に頷くのだった。
「北から攻めて雑兵共の力を弱めて」
「それで」
インプ達の力を弱めてそのうえで攻めるというのである。これが今回の彼等の戦術だった。それで戦おうというのである。
「よし、それなら」
「北に行ったら」
「その時までは慎重にだ」
アイオリアは言った。
「敵に気付かれてはこの作戦の意味がないからな」
「ええ、そうですね」
「それは」
青銅の者達はそれを聞いて言い合う。
「肝心な時まで牙を隠す」
「それですよね」
「その通りだ。ではいいな」
「はい、じゃあ」
「それで」
アイオリアの言葉に頷きここで食べ終えたそのスイカの皮を元の皿に戻す。そのうえで暫し休息を取り戦場に向かうのだった。オーストラリアの戦いも正念場を迎えようとしていた。
第七十二話 完
2009・11・24
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