恋敵か!?
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ぶりだな!!」
「ミンクさん!!」
その青年を見た途端、飛び付くようにして胸に抱き付く天竜。それを見た瞬間、何が起きているのかわからず目を見開いてしまう。
「落ち着け、シリル」
「奥歯噛みすぎ噛みすぎ」
一応平静を装っているつもりではいたんだけど、どうやら動揺しているのが周りからは丸わかりだったらしく、レオンとラウルからストップをかけられる。でも、目の前で彼女がいきなり知らない男に飛び付いたら動揺するのも仕方ないのではないだろうか?そう思いたい。
「お前全然変わらないな!!」
「七年間凍結封印されてて」
「そういえばそんなこと聞いた気がするな」
仲良く二人が話をしていてなんかとてつもなく悔しい。恋敵か!?恋敵なのか!?
「あ、ちょっと待って」
俺が悔しさで血の涙を流しそうになっていると、ミンクさんがこちらに向かって歩いてくる。
「お前か、ウェンディの言ってたシリルって」
そう言って彼は・・・俺の真後ろにいたレオンに顔を近づけ睨み付けている。
「話に聞いてた感じとはちょっと違――――」
「ふんっ」
「ぐはっ!!」
完全に本物を無視して偽物と話をしようとしていたミンクさんだったが、レオンが顔面にグーパンチを叩き込み、軽くKO勝ちを納めていた。
「シリルは俺じゃなくて・・・こっちだ」
手の届く範囲にいたため、首根っこを掴まれ彼の前に盾にされるように差し出される。
「だからっていきなり殴らなくても――――」
顔に拳を受けたミンクさんは鼻を押さえ、顔を上げてこちらを見ると・・・
「・・・」
絶句した。
「え・・・あれ?女の子・・・」
「いえ、男です」
毎度お馴染みの勘違いを繰り出す青年に無表情で突っ込みを入れるが、彼の耳には届いていないのか、突然ウェンディの方を向き直る。
「おい!!どう言うことだ!?ウェンディの好きなのがシリルなんだよな!?」
「あの・・・声が大きいです・・・」
驚きすぎて声の抑えが効かないミンクさんにタジタジのウェンディだったが、そんなことなどお構い無しに彼は話を続ける。
「まさか・・・お前・・・そっちだったのか?」
「シリルは男の子なんですってば!!」
ついにあらぬ勘違いをし始めた彼に再度真実を告げると、彼は間抜けな顔を見せた後、俺の方をチラッと見る。
「はは、あの子が男なわけ・・・えぇ!?」
もうこの扱いにも慣れてきたのでむやみやたらに反応はしてあげない。とりあえず、現実を受け入れられない彼が落ち着くのをしばし待ってあげることにした。俺ってば、紳士だな。
「原因がお前なんだけどな」
「それは言いっこなしだよ」
頭の整理が追い付かずオーバーヒート状
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