恋敵か!?
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「はぁ・・・いい匂い・・・」
街中に植えられた花が鮮やかに咲き誇り、心地よい匂いが俺たちを出迎える。
「ホント・・・いい匂いだね」
「はい!!すごくいい街です!!」
あまりのいい匂いに心を持っていかれつつある女子勢。シャルルとセシリーなんか一言も発しないレベルだし、これって大丈夫なのか?
「依頼書には屋敷に来いって書いてあったんだろ?どこにあるんだ?」
ギリギリ正気を保っている俺と、辺りをキョロキョロ見回しながら依頼主の住む屋敷を探すレオン。彼の頭にはすでにやる気がないのか、猫の姿になったラウルが乗っかっていた。
「僕もシリルに乗ろっと〜」
それを見たセシリーが人型から猫へと変化して俺の頭に寝るように乗る。別に気にするほどの重さでもないし、このまま乗せててもいい――――
「ダメだ。降りろ」
「え〜!?なんで〜!?」
かと思ったが、あることに気付いて無理矢理地面に降ろすことにした。もしかしたら俺の背が伸びないのはこいつが頭に乗ることがあるからじゃないのか?もしそうだとしたら、今からでもこれは控えた方がいいだろう。
「ぷ〜!!もういいや〜」
諦めて人型へと変身して歩き始める少女。きっと俺の身長が低いのはこいつのせいだったんだ。後で説教でもしてやるかな。
「ねぇ、屋敷ってどこ?」
セシリーの方を睨んでいたら、前を歩くレオンが振り返り藍髪の少女へと問い掛ける。それによってようやく本来の目的を思い出したウェンディは、すぐさまこちらへと駆けて来た。
「ごめんごめん。案内するから付いてきて」
そう言って彼女は早足で前を進み始める。よほど楽しみなことでもあるのだろうか、足取りがいつもよりも遥かに軽い彼女に違和感を覚えつつそれについて――――
「キャッ!!」
行こうとしたら、目の前でウェンディが転倒した。それも何もないところで。
「だ・・・大丈夫?」
「う・・・うん。ありがと」
恥ずかしそうに顔を赤らめている少女に手を差し出しゆっくりと立たせてあげる。薄々嫌な予感がしていただけに、ちょっとこれには笑えない。
「ゆっくり行こう。ゆっくり」
「そ・・・そうしよっか」
今の反省を生かして普段通りのペースで先に行くことにした。その際未だ心ここにあらずのシェリアとサクラ、シャルルをレオンとセシリーが引っ張ってきて、合流してから依頼書に書かれていたお屋敷を目指すことにした。
「・・・」
「どうしたの?レオン」
楽しく話をしながら歩いていると、いつの間にやら一番後ろを歩いていたレオンが仏頂面になっていることに気付・・・って、こいつはいつもそんな感じの顔か。
「困ってるように見えるか?
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