513部分:第七十二話 来たるべき戦いその六
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第七十二話 来たるべき戦いその六
「そうだな。グラード財団だな」
「後継者がいませんし」
「暫くしたら大変なことになりますかね」
「そうだな」
このことには素直に頷けたアイオリアだった。
「誰か相応しい後継者がいなければな」
「ですよね。あのままいったらちょっと」
「折角聖域にも色々援助してくれますし」
「良心的な財団なのに」
実際にグラード財団の評判は世界的によかった。城戸光政はあくまで世界の偉人として知られている人物なのである。とりあえずはそうなのだ。
「そこがどうかなってしまうのは」
「残念なことですよ」
「あの人のことだから後継者は任命するだろう」
アイオリアはこう返したのだった。
「きっとな」
「ええ、そうですよね」
「でしたら俺達は」
「見守っていればいい」
楽観的な意見を述べたアイオリアだった。
「今はな」
「そうですね。じゃあアイオリア様は暫くあれですよね」
「辰巳さんの店に行けますよね」
「いい店だ」
その辰巳の店については微笑んでこう述べたアイオリアだった。
「あの人もあれで悪い人ではないしな」
「ちょっと髪の毛がないだけで」
「あれって若ハゲなんですかね」
「老けて見えますけれど若いんですよね、確か」
「ですよね」
それは間違いのないことであった。彼は若いのだ。
「それ考えたらあれは」
「髪型ですかね」
「そういう話もあるな」
アイオリアもそのことはあまり知らなかったりする。
「果たしてどうかはわからないが」
「そういうことにしておいた方がいいみたいですね」
「こういう話は」
「そうだな。さて」
ここで食べ終わったアイオリアだった。そのバケツの如きヌードルも巨大なサンドイッチもだ。しかしまだ食べるものは残っていた。それは。
「次はこれだな」
「ええ、これですね」
「デザートですが」
それがあるのだった。彼等の座っている席の中央には大きな白い皿が置かれている。その皿の上にあったのは赤いスイカであった。
「これも食べてですね」
「それで終わりですね」
「不思議なものだな」
アイオリアはそのスイカを見ながら述べた。
「これだけ食べてもまだ食べられそうだ」
「ええ、確かに」
「それは」
青銅の者達もアイオリアのその言葉に頷いた。
「まだ食べられそうですね」
「デザートは」
「どういうわけか」
「甘いものは別腹ということか」
アイオリアはそのスイカを見ながら述べた。
「だから食べられるのかもな」
「ですね。しかしこのスイカも大きくないですか?」
「それもかなり」
見ればそのスイカは普通のスイカより一・五倍は大きい。その大きさを見ているとどうやって作ったのかと思える程だった。そこまでの大きさなので
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