暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 孤独者と闇裂く対剣
デスゲーム
第一章
旅立ち

[8]前話 前書き [2]次話
再び始まりの町に戻った俺の目に写ったものは、凄惨な光景だった。
泣き叫ぶもの、怒り狂って人に当たるもの。
自暴自棄になってソロでフィールドへ出るもの。
町は9割ほどの人は絶望し、うちひしがれていた。

俺は、そんな人々を見るのが嫌になって、背を向けて駆け出した。

目指すは次の町。少しでも安全を確保して、キリト達と合流しなくてはならない。

フィールドに出ると、昼間とは全く違う光景が見えた。
先程まで人で溢れていたとは思えないほど殺風景になり、モンスターの瞳だけが月光と共に爛々と輝いている。
シュイン、と三体ほどの狼がポップした。
狼はこちらを視認すると同時に攻撃をしてくる。
本来なら避けるべきその一撃。しかし、ツバキは避けずに反撃した。

「ッ…オオオオッ!」

刀ソードスキル【辻風】

翡翠色の光芒が刀身に宿り、軌道に光の軌跡を生み出す。

その頃にはもう、ツバキは駆け出していた。
ツバキの怒りに呼応したように、剣が再び姿を変える。
無限投擲専用武器、【螺旋】。
白銀のクナイの形をしたそれを両手のすべての指に絡めて持つ。そして、前方の狼たちが出現するであろう場所に投擲する。
投擲専用スキル【スナイプ・ショット】
一直線に伸びて行ったクナイは徐々に加速していく。
そして、加速しきった瞬間______
「ギャゥ!!」
出現した狼たちの眉間を深々と貫いた。

それから何時間か休憩を取りながら走り続け、トールバーナへ到着した。
幸いなことに、人は俺以外に居なかったため、良さげな宿屋を手早く借り、ベッドに突っ伏した。
眠るのにたいして時間はかからなかった。が、ふとユウキやランが死ぬ夢を見て、飛び起きていた。
ようやく深い眠りが訪れ、俺は翌日の夜まで寝ていた。
その頃にはキリトからのメッセージも届いており、ユウキたちの安否がはっきりとした。
「俺があいつ等を守らないとな…」
ひとつの決意を固め、俺はフィールドに足を向けた。







一ヶ月後……

宿屋に、ノックの音が響いた。同時に元気な声が届く。
「ツーバーキー!行こー!」

「ハイハイっと。行きますよー!」
「はいは一回!」

ゲーム開始から一ヶ月。
2000人もの死者を出したデスゲームはいまだに一層クリアすらしていない。
しかし、僅かな希望が集結し、今日、一筋の光となろうとしている。


「よし、第一層攻略会議、行くか!」



[8]前話 前書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ