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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十七話 体調が悪くても無理をしなくちゃならない時があるのです。その2
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平押しに押していきます。が、むろんこれだけではありません。頃合いを見計らって迂回した別働部隊2艦隊を後方、側面から攻撃させ、3方向から一気に押し出して殲滅するのです。」
おお、というどよめきが起こった。ミュッケンベルガー元帥の立てた作戦は単純明快だが、これには裏があった。貴族連中が多数参加しているこの戦いでは複雑な戦法はかえってマイナスの効果しかもたらさない。複雑な艦隊運動を貴族連中の私設艦隊に求めても、できないだろう。
ミュッケンベルガー元帥は別働部隊の指揮官にシュタインホフ上級大将とエーレンベルク上級大将を当てた。この作戦が成功すれば二人を元帥に昇格させて帝国軍三長官にしてしまおうという意味合いも含まれている。
ミュッケンベルガー元帥の立てた作戦にしたがって、艦列を整え、補給を受け次第攻勢を開始することが会議で決定された。作戦が決定すると、後はお決まりのパターンとなる。すなわち、貴族連中に不可欠な物、酒宴・パーティーである。戦場に出てきているとはいっても、とりわけ貴族連中の艦の内装、調度は豪華である。特に大貴族の長であるブラウンシュヴァイク公爵の旗艦ベルリンに至っては「動く宮廷」とも評されるほど内装は豪華絢爛であった。数百人を要してのパーティーを催すことなど何でもない事なのである。
「では、その前祝いとして酒を開け、前途を祝すことにしようではないか。」
というブラウンシュヴァイク公爵の提案に賛同した一同は、ベルリン内に設けられた酒宴の席へ移動することとなったのだった。ミュッケンベルガー元帥と主だった軍人はひそかに舌打ちを禁じ得なかったし、元帥自身やんわりとその旨をブラウンシュヴァイク公爵に話したのだが、聞き入れられなかった。重ねて進言してもよかったが、ブラウンシュヴァイク公爵の機嫌を損ねるわけにもいかず、やむなく席を同じくすることとしたのだった。



* * * * *
帝都オーディン――。
グリンメルスハウゼン子爵邸に一台の車が到着した。中から降り立ったのはエステル・フォン・グリンメルスハウゼンである。祖父であるグリンメルスハウゼン子爵の容体がここの所思わしくなかったので、心配したフィオーナが出征前にアレーナ・フォン・ランディールの下に彼女を残したのだった。
その音を聞きつけたのか、出てきた青い長い髪を伸ばした女性が中から出てきた。
「お姉様・・・・。」
アレーナ・フォン・ランディールだった。いつもの飄々とした雰囲気が一切なく、硬い顔をしている。軍務で忙しいエステルに代わって、アレーナがグリンメルスハウゼン子爵邸に赴いて、看病をしたり話し相手になっていたのである。
エステルはアレーナの顔を一目見て、その裏にあるものを読み取った。
「おじいさまは・・・お悪いのですか?」
アレーナはそれには答えず、ただ「間に合ってよかっ
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