第3話 エースパイロットの目醒め
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である。
「ひょあぁあぁあ! 死ぬぅうぅ! もう俺様死ぬぅううぅぅうぅ!」
「死ぬ死ぬ言ってるうちはまだ死にゃあしないわ! ぴーぴー泣いてる暇があったら飛ばせぇ!」
怯まずレーザー砲を連射するカリンの怒号が、車内に反響する。泣きべそをかきながらハンドルを切るアイロスの絶叫を、掻き消すように。
「……! レーザーが止んだ……?」
「な、なんだぁ。助かったのかぁ?」
すると。宇宙海賊は突如、レーザーの連射を止め――高度を上げた。カリンは精魂尽きた様子でぼやくアイロスを尻目に――太陽を背にして舞い上がる機体を、手で顔を覆いながら見上げる。
――直後。その視界に、爆弾が迫った。
「……う、そ」
回避も、退避も間に合わない。逃れられない「絶対の死」の突然過ぎる来訪に、カリンは乾いた声を漏らすことしかできなかった。
――が。
「え……!?」
何かが閃いた。
「……!」
その「何か」に、宇宙海賊がコクピットの中で唇を噛む。――気がつけば、コスモハンマーの傍らには、カリン達を吹き飛ばすはずだった爆弾が突き刺さっていた。
だが――その爆弾が役目を果たす気配は、一向に見られない。カリンとしては、何が起きたかもわからず、ただ茫然と立ち尽くす他なかった。
――尤も、それは近すぎたせいでわからなかったカリンだけであり。パラシュートで地上に降り立ち、遠目から見ていたゼナイダとジャックロウは、カリン達の近くで起きた事態をハッキリと目撃していた。
「……爆弾の信管だけを……レーザーで、撃ち抜いた……!? そ、そんな、そんなこと……!?」
「――やはり、隠し通せるのは今日までだったようじゃな。のう? ラオフェン・ドラッフェ」
「えっ……!?」
あまりに人間離れしている所業に、戦慄するゼナイダを一瞥し――ジャックロウは、レーザーが飛んできた方向を見遣る。
――その先には、頭の悪い曲芸でゼナイダを出迎えた、あの継ぎ接ぎだらけの民間機が漂っていた。
先ほどの手腕とまるで噛み合わない、その頼りないシルエットと、ジャックロウが漏らした言葉に困惑するゼナイダ。
そんな彼女を、さらに混乱の渦に叩き込むかの如く。張りぼての機体は、そのフォルムに見合わない急加速に突入し――ありあわせの材料で作られた外装を、その風圧で剥ぎ取って行く。
「――この瞬間を、待っていたんだ。楽しませてもらうぜ、ラオフェン」
その光景を見つめる、漆黒のコスモソードのパイロットは――歪に口元を釣り上げ、赤い瞳で最後の敵を射抜く。
刹那。
「お前は、あくまで義賊であり……罪のない人々を脅かすような奴じゃ、なかった」
外装が全て剥がれ落ち――その中から、真紅の縁取りのコス
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