第2話 砂漠の惑星ロッコル
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てカリン光線銃抜かないで! 今彼女に君がいい子なのを説明してるとこだからぁぁぁ!」
「……つくづく低俗な文明ね、この星は。ちょっと毒づかれた程度で安易に武器を抜く。まるで猿だわ」
「んぬぁんですってぇえぇ!」
「コルトーゼさんも煽っちゃらめぇえ!」
どこまでもポロッケタウンの住民に毒を吐くゼナイダに、カリンは激情のままに飛び掛かろうとする。それを懸命に宥めるカケルだったが、さらに加速するゼナイダの煽りに悲鳴を上げるのだった。
詰め寄るカリンに押され、一歩も引かないゼナイダに挟まれ。爆乳と美乳に挟まれたカケルは一触即発の事態を回避すべく、懸命に説得を試みていた。
――だが。事態はさらに、混迷を極める。
「う、うわぁっ!?」
「きゃあ!?」
「……っ!」
揉み合いの弾みで転倒してしまう三人。その中で真っ先に我に返ったカケルは――いつしか、天に向かってそそり立つ張りのいい膨らみを、揉みしだいていることに気づいた。
右手にカリンを、左手にゼナイダを。
「んぁっ!?」
「ぅんっ……?」
その感覚を遅れて感じ取った二人が、相次いで甘い吐息を漏らす。やがて我に返った二人は状況を察すると、慌てて同時に胸を隠した。
「も、もう! カケルったら、相変わらず変な転び方するよね!」
「あぁいや、ごめんカリン」
「……カケルのえっち」
だが、カリンはさほど気にしていないのか――むしろ好意的ですらあった。ほんのりと頬を染めながら、微笑を浮かべて呟かれた言葉からは「怒り」というものはまるで感じられない。
――しかし、一方のゼナイダは。
「……ぃ……だ……」
俯いたまま、うわ言のように何かを呟いていた。
「……ほ、だ……」
――どこか打ち所が悪かったのかも知れない。彼女の様子からそんな可能性を危惧したカリンはカケルと顔を見合わせ、優しげに声を掛ける。
「ね、ねえちょっと。あんた大丈夫――」
その瞬間。ゼナイダはガバッと一気に立ち上がると、胸を片手で隠しながら腰の光線銃を引き抜き、息つく間もなく天井に乱射する。
突然の暴走に酒場は騒然となり、カケルとカリンも唖然となってしまった。
「――逮捕だあぁあぁあ! 公然猥褻罪の、現行犯逮捕だあぁあぁあッ!」
「え、ちょ、待っ――」
「――逮捕するぅうぅう! 逮捕すりゅうぅぅうう!」
その非常識極まりない行動と、茹で蛸のように真っ赤に染まった顔。ぐるぐると回り、定まらない視線。それらの状況証拠から、ウブな彼女がラッキースケベを受けて暴走を起こしたと看破したカリンが、宥めようと歩み寄る。
だが、ゼナイダはまるで耳を貸す気配を見せず――いきなり当事者のカケル目掛けて発砲してきた。
「うわぁ!?」
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