第2話 砂漠の惑星ロッコル
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じゃないから仲良くしてあげてよ。……多分」
「さっきの物言いからどこを抽出すればそんな判断に至るのか教えろ! ……あだっ!?」
その時。チラチラと横目でゼナイダを見遣りながら、しきりに抗議するアイロスの脳天に――上方からの拳骨が炸裂した。
頭を抑えながら、その拳――を放った張本人を睨み上げる彼の視界には、一人の少女の姿があった。
――が、少女という表現は十八歳という彼女の年齢に準じた言い方でしかない。その豊満に飛び出た巨峰とくびれた腰、山なりに膨らんだ臀部という肢体は、大人の女性としての色香を存分に孕んでいた。
淡い桃色のシャギーショートの髪を白いリボンで飾った彼女は、碧色の強気な切れ目でアイロスを見下ろしている。一見するとそのままでも色白な肌の持ち主ではあるが、青いホットパンツやベージュのベストトップの隙間からは、さらに白い柔肌が覗いている。
さらに彼女のベストトップは、身長に合わせたものより遥かに大きなサイズでありながら、持ち主の巨峰に押し上げられ、今にもボタンがはち切れそうなほどに張り詰めていた。
西暦時代のカウガールを彷彿させるその衣装と、胸と共に腰で揺れる一丁の光線銃が意味する通り――彼女、カリン・マーシャスはこのポロッケタウンに駐在している保安官である。
「なにすんだカリン!」
「それはこっちのセリフよ。酒場のツケ、もう何ヶ月滞納してると思ってんの。お喋りする暇があるなら日雇いでも何でもやって、さっさと返済しろ穀潰し」
「ンだとォ!? 俺様を誰だと思ってやがる、ポロッケタウン一の超一流レーサーに向かって!」
「なぁにが超一流よ。こないだ酔っ払ったままレースに出たせいで、あんたに賭けた客に大損させて大量に借金抱えてるくせして」
「うるっせぇ! だから次のレースで全部取り返すっつってんだろうが!」
そんなカリンに対し、アイロスは目を剥いて怒鳴り散らす。だが、その怒気を至近距離から浴びても、当の女保安官は眉一つ動かすことなく彼を見下ろしていた。
彼女の圧倒的なプロポーションと、そのグラマラスな身体つきを余すところなく表現した服装に、見慣れているはずの周囲の常連客も喉を鳴らして凝視している。――が、すぐさま彼女が余所見しながら投げてきた灰皿を額に喰らい、邪念を霧散させられてしまった。
「もうとっくにあんたのマシンは差し押さえられてるのに?」
「ぐっ……へ、へっ。俺様くらいになりゃあ、安物のレンタカーでも優勝は狙えるのさ」
「あっそう。じゃあ今度それで負けたら、十年ここでタダ働きして返済しなさいね」
「んなぁ!? おいコラ、カリン! てめぇそれが幼馴染への仕打ちかぁ!?」
「腐れ縁よ、それを言うなら。幼馴染なんて綺麗な言い回し使うんだったら、あと百年は男を磨きな
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