ガンダムW
1526話
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Sに関しての話が出来るとは思わなかったのが、俺の驚いた理由だ。
だが、映像モニタの向こう側の凛は、自信に満ちた笑みを浮かべて口を開く。
『アクセル、私が何なのか……忘れた訳じゃないでしょ? あの基地の事を思い出しなさい』
……なるほど、結界か。
ただ、それでも疑問には思う。
俺達が住んでいたあの連合軍の元基地に張っていた結界は、あくまでも侵入してきた者を察知するような結界だ。
外から周囲の様子が分からなくなるような結界を……それも、トールギスが自由に動き回っても大丈夫な程の結界を展開出来るのか、と。
そんな俺の疑問を見て取ったのか、凛は口元に自信に満ちた笑みを浮かべる。
その笑みを見た瞬間、俺の中に浮き上がってきたのは、凛に任せておけば大丈夫だと絶対的な安心感……ではなく、本当に大丈夫なのか? という疑問だった。
凛には、基本的に大事な時に限って大きなミスをするという、うっかりの呪いがある。
それこそ、うっか凛と呼ぶのに相応しい程の呪い。
そしてトールギスを自由に動かせるだけの空間的な余裕を作り出す結界ともなれば、当然大事だ。
そう考えれば、うっか凛が発動してしまっても不思議でも何でもない筈だ。
「本当に任せても大丈夫か?」
『ちょっと、アクセル。それどういう事? 私の腕は知ってるでしょ?』
魔術については基本的に絶対の自信を持っている凛だ。
それだけに、俺の口から凛の腕を疑うような言葉が出て来た事が許せなかったのだろう。
だが、それでも魔術と言う言葉を口にしないのは、ハワードがそこにいるからか。
この世界でも神秘を他人に話せば何らかのマイナス要素がある可能性はある。
そう考えれば、迂闊に口に出せないのは当然だった。
……いや、それ以前にこのW世界で魔術なんて言葉を口に出した場合、間違いなく胡散臭い視線を向けられるだろうが。
それとも、実は魔術とかのオカルトは金持ちの間では意外と趣味として広まっている可能性は……ないか。
まぁ、けど実際、W世界で連合やOZ、ロームフェラ財団といった者達に見つからないようにトールギスのテストをするとなれば、当然のように何らかの手段を講じなければならない。
その手段で最善なのは、この世界の人間にとって全く理解出来ない手段……つまり魔術なのは、当然の出来事だった。
「ああ、勿論凛の腕は知ってる。そうだな、考えてみれば凛に頼むのが一番手っ取り早いんだ。じゃあ、頼めるか?」
煽てるようにそう告げると、凛は嬉しそうに……そして、してやったりといった笑みを浮かべる。
そんな笑みを浮かべている凛をそのままに、俺は一旦トールギスを元の場所へと戻してコックピットを開く。
ドーバーガンやライフル、ビームサーベルといった武器も
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