21話目 古代の生命1
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ポケモン、オレたちの方見てるんだが……」
グレイがそう呟いた。
突如、プテラは甲高い声で叫びながら、大きな口を開けてノコギリのようなキバを見せながらグレイとイザルに襲いかかってきた。
2人はとっさにモンスターボールを取り出し、グレイはギャラドスを、イザルはコモルーを出した。
ギャラドスは敏感に戦いのにおいを察知し、グレイの指示を待つことなく空中のプテラに飛びかかり、プテラを道路に投げ飛ばした。
町の中で舗装された道路のアスファルトにプテラが勢いよく叩きつけられ、アスファルトにヒビが入った。
自分のポケモンに指示しようとしていたイザルだが、その前にプテラとギャラドスによる1対1の戦いが始まってしまった。
指示のタイミングを逃したイザルは、代わりにグレイに話しかける。
「……アンタのギャラドス、ずいぶんと良い躾がされているみたいだな」
「おい、言ってることがさっきと違うぞ」
「……トレーナーの指示なく、自主的にトレーナーを守るとは大した忠誠心だな」
「いや、違うと思うんだが。単に自分が戦いたいだけだろ……」
先ほどハガネールと戦って消耗していることなど忘れたかのように、ギャラドスは生き生きとしながらプテラを痛めつけていた。
再びギャラドスがプテラを投げ飛ばした。
木造の小屋のようなボロい建物にプテラが叩きつけられ、大きな音と共にボロい建物が崩壊した。
派手に戦う両者。その騒ぎを聞きつけ、何事かと確かめるために周辺の住民たちが集まってきた。
ギャラドスに痛めつけられ、空に逃亡するプテラ。そのタイミングでグレイが口を開く。
「KK、“たきのぼり”」
ギャラドスが、空に逃亡するプテラに向かって、水をまとって突撃した。
プテラは天高く吹っ飛び、やがて重力にしたがい落下し始め、道路に墜落した。プテラは動かなくなっていた。
野次馬からグレイとギャラドスに拍手が送られる。
「……なあ、あれは誰が弁償するんだ?」
イザルが、先ほどプテラがぶつかって粉砕された木造の建物を指差しながら、そう口にした。
「いや、オレ悪くないだろ? 野生ポケモンによる被害だろ? 野ポケ保険とか、そういう何かが払ってくれるんだろ?」
「……巨体のポケモンで町の中で戦う場合は、周りに配慮しながら戦うべきなのさ。……やっぱりアンタ、ポケモンの扱いがなってないな」
「うるせえな。褒めたり貶したり、ころころと意見を変えるなよ」
2人が言い争っている内に、ヒヨワタウンの治安組織のトレーナーが現場に到着し、プテラの戦闘不能確認と生存確認を行いながら後処理を開始した。
グレイとイザルは事情聴取のために警察署に行くことになった。
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