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コマンドサンボの女
第四章

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「だから軍隊の殺人術だから」
「そうしたこともか」
「合理的に考えているの」
「そうなんだな」
「そう、じゃあ次は蹴りね」 
 こう言って実際に蹴りも見せてきたが。
 やはり脛や膝、腹に特に急所を狙う。足の先や踵、膝といった場所でだ。
 足の先つまりつま先での急所攻撃にはだ、幸太郎は蒼白になって言った。
「やっぱり靴穿いてだよな」
「仕掛けるのよ」
「それでやったら相手死ぬぞ」
「だから殺す為によ」
「仕掛けるからか」
「死ななくてもダメージで悶絶するでしょ」
「潰れたりしてな」
 やはり蒼白になって言う幸太郎だった。
「洒落になってねえな」
「そうよ、しかも打撃技はメインじゃないから」
「これまでの洒落になってないものもか」
「全部ね」
「メインは投げとか」
「後は関節技よ」
「投げられるんだな」
「受け身出来る?」
 やはり真剣な顔でだ、エリカは幸太郎に問うた。
「ラガーマンだからジャンル違うけれど」
「ちょっとそれはな」
 微妙な顔にになってだ、幸太郎は答えた。
「出来ないな」
「じゃあ練習用のお人形持って来るから」
「それを使ってか」
「見せるわね」
「頼むな」
 こうしてだ、エリカは道場の倉庫から人型の練習用の一八〇位の大きさの顔も何もない人の形をしただけで柔道着を着せて練習台を出してきてだ、その練習台を。
 投げて関節技を仕掛けていく、それはカニバサミもあればプロレスにある様な飛行機投げ、それに様々な関節技があった。
 その関節技は踵や膝も攻める、幸太郎はその関節技を見て言った。
「踵とかもか」
「そうよ、アキレス腱もね」
「攻めるんだな」
「あらゆる関節を攻めてね」
 腕十字をしつつだ、エリカは話した。
「折ったり靭帯切ったりしてね」
「潰すんだな」
「これがコマンドサンボの主よ」
「そうなんだな」
「柔道の技に似てるのも多いけれど」
「やっぱり殺人術だからか」
「こうした技が多いの」
 関節を攻める技がというのだ。
「それも潰すのがね」
「そういうことか」
「アキレス腱攻めるのも」
「それ柔道にあるのか?」
「ないわよ、けれどコマンドサンボにはあるのよ」
「そうか」
「そうよ、だから何度も言うけれど」
 今も関節技、今度は首を攻めるそれをしつつ話した。
「殺人術だから」
「真似はするな、か」
「そう、そこは絶対によ」
「喧嘩でも使ったら駄目か」
「下手したら人殺しいなるわよ」 
 エリカは真剣に言った。
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