第三章
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「そういうことだな」
「だから真似するなって言ってるの」
「殺す為のものか」
「そうよ、私がお父さんに習ってるのはね」
「そっちか」
「伊達に元特殊部隊じゃないわよ」
それでというのだ。
「私もお母さんも知らないけれど軍隊にいる間は」
「そのコマンドサンボの技でか」
「何をしていたか」
「怖いな」
「そうよ、そうなるからね」
だからだというのだ。
「本当に真似はしないでね」
「ああ、わかった」
幸太郎は真剣な顔で答えた。
「それじゃあ教えてくれよ」
「そうさせてもらうわね」
こう話してだ、エリカは幸太郎を柔道場に入れた。そしてまずはだった。
制服のままだがスパッツを穿いた、そのうえで幸太郎に言った。
「これでよしよ」
「サンボの服にならないのか」
「柔道着と半ズボンの」
「それか柔道着か」
「柔道着は柔道の時に着るものよ」
割り切った言葉だった。
「コマンドサンボは本来は軍服だけれど」
「今はか」
「制服は元々軍服から生まれたものだしね」
「ああ、そういえばそうか」
幸太郎は自分が今着ている黒の詰襟を見た、そうして言った。
「詰襟もそうか」
「そうでしょ、この服もよ」
エリカは今度はブレザー、紺のそれを脱いで丁寧に畳みつつ話した。
「軍服が元だから」
「だからいいのか」
「コマンドサンボでもね」
「そうなるんだな」
「それとね」
「それと?」
「スパッツは見えない為に穿いたのよ」
それはというのだ。
「わかるわよね」
「体育の授業のそれか」
「そう、これで安心よ」
「見せてはくれないんだな」
「見たら本気で技かけるから」
コマンドサンボのそれをというのだ。
「いいわね」
「ああ、よくわかったよ」
「じゃあいいわね、今からね」
「技紹介してくれるんだな」
「ええ、行くわよ」
こう言ってだ、エリカはまずは腰を屈めさせてだ。両足の踵を浮かせて両手は軽く開いてやや前に出す構えになった、そのうえで幸太郎に言った。黒い靴下は膝近くまである。
「これが構えね」
「本当に今から襲いかかる感じだな」
「そうでしょ、それでね」
「実際に襲い掛かるんだな」
「ええ、本当に動かないでね」
「わかってるさ」
幸太郎は立ったままで構えと取らずに応えた。
「それじゃあな」
「今から行くわね」
こう話してだ、そしてだった。
エリカは技を仕掛けに入った、すると。
まずは拳だった、手刀や突き、ハンマーヘッドでみぞおちや喉、目に脳天を狙う。寸止めだが幸太郎は目に来たその突きを見て言った。
「かなり前で止めてるな」
「だって若しもになったら」
「まずいからか」
「そうよ、これがね」
「コマンドサンボの手の技か」
「急所を狙う
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