507部分:第七十一話 せめぎ合う小宇宙その七
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第七十一話 せめぎ合う小宇宙その七
アイオリアが動かしている車はそのまま順調に動いていた。それは誰かが運転している時と全く変わらない程に見事に動いていた。
「目を閉じているな」
「はい、普段は」
「けれどシャカ様って」
「あれですよね」
ここで青銅の者達が言ってきた。
「目が見えるんですよね、確か」
「そうですよね」
「五感は健在って聞いてますけれど」
「そうだ、見えるのだ」
これは確かだというのである。
「見える。間違いなくな」
「では何故ですか?」
「いつも目を閉じているのは」
「それはどうしてなのですか?」
「どうやらだが」
あまり確証がないというまま述べるアイオリアだった。
「小宇宙を高めているらしい」
「小宇宙をですか」
「その為にだと」
「瞑想だ」
今度はこれを話に出して来たアイオリアだった。
「それは知っているな」
「ええ、それはまあ」
「あれですよね。インドや日本でよく行われている」
「そうだ。座ったまま目を閉じて沈黙の世界に入る」
まずはこう説明したいアイオリアだった。
「そのうえで己の小宇宙の世界に入る」
「ええ、やったことはありませんが」
「そうした修業があるのは知っています」
「シャカは普段からそれをしている」
こう述べるアイオリアだった。
「その効果があるものなのだ」
「では目を閉じることによってですか」
「小宇宙を高めると」
「そうしているというのですね」
「その通りだ」
まさにその通りだというのである。
「それをしているのだ」
「そうですか。それでなのですか」
「シャカ様はいつも目を閉じていると」
青銅の者達はそれでわかったのだった。白銀の者達は黙って聞いている。
「ではその蓄積された小宇宙は」
「かなりのものですか」
「シャカは目を閉じているが見えているのだ」
アイオリアはまたシャカについて述べた。
「そのセブンセンシズによってだ。目を閉じていても全てが見えているのだ」
「何と」
「そうしたこともできているとは」
「シャカ様、恐るべきですね」
「そしてその蓄積された小宇宙は」
アイオリアの言葉は続く。
「何時どうして使うのかは俺も知らない」
「御存知ありませんか」
「それは」
「しかし。何かに使うのは間違いない」
それは、というのだった。
「その小宇宙をだ」
「何かおっかないですね」
「そうですよね」
青銅の者達はあらためてこのことを言い合った。
「何ていうか」
「シャカ様って何も言いませんけれど」
「だがあの男は誰もが一目置いている」
アイオリアの言葉は真剣なままだった。それもこれまで以上にであった。
「黄金聖闘士だけでなく教皇もだ」
「教皇もなのですか」
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