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遊戯王ARC-V 千変万化
第6話
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有できれば勝ち負けなんかは関係無い。楽しかった、またやりたい、今度は負けない。前向きな気持だけになる。それが延々と繰り返されて広がっていく。これもある意味で侵略さ」

「これもか。なんだろうな、悪くないように思える」

「誰も悲しまないからさ。だけどね、この力が足りない時がある。カード化すれば、その家族は悲しむさ。デュエルが出来ない子だっている。それを笑いながらカード化するあの仮面たちは好きじゃない。笑顔に変える暇が許されないのなら一人でも救うために力を振るわなければならない時もある。オレにとってアカデミアの仮面達はそういう存在なんだ」

「な、に?どういう、ことだ?」

「そのままの意味だ。オレは少し前までエクシーズ次元に居た。そこでアカデミアと戦っていたんだ。瑠璃と隼はエクシーズ次元の住人だ。目の前で何人も笑いながらカードにされるのを見ている」

「バカな!!そんなこと、ありえない!!」

笑いながら、戦えないものまでカードにするだって?崇高なる使命を持ったアカデミアがそんなことをするわけがない。そう思っていたのだが、遊矢が取り出したカードを見て何も言えなくなる。カード化された人間のカードなのだが、デュエルディスクを装着せずに何かを抱きかかえている女性と誰かに抱きかかえられている赤ん坊のカードだった。

「間に合わずに目の前でカード化されたんだ。回収される前にオレが拾ってずっと持ってる。この子はヒッポのことが大好きでさ。背中に一緒に乗って空を飛ぶと物凄く喜んでくれてたんだ」

遊矢の言葉に胸が張り裂けそうになる。今の今まであれだけ楽しいと思っていたのに。

「何故だ、何故、そんな光景を目の当たりにして皆を笑顔にしたいだなんて言えるんだ」

「諦めていないからさ。カード化する技術があるんなら、逆にカードから元に戻すことだってできるはずだ。オレの力なんてちっぽけなものさ。オレのこの手だけじゃあ、少しの人しか救えない。だけど、この手を誰かと繋いで、その誰かがまた別の誰かと手を繋いていけば、もっとたくさんの人を救える。誰かと誰かを繋ぐ架け橋を、オレは笑顔で作り出してみせる。だから、諦めたりなんかしないのさ!!」

「遊矢」

「そしてデュエルは最高のコミュニケーションなんだ。デュエルをすれば相手の気持が伝わる。相手に気持ちを伝えられる。それを観客とも共有する。それがオレのエンタメデュエルだ!!」

ああ、分かった。こいつのデュエルの意味が分からなかった理由が。あの時のデュエルは子供と子供を繋ぐためのエンタメデュエルだったんだな。だから派手なのにプレイングミスをしたように『壊獣』を【神秘の中華鍋】で料理するようにしてみせたりしていたんだ。攻撃力の上がった【サンダー・ザ・キング】で破壊するんじゃなくて、コミカルに見
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