第6話
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瑠璃にも言えることだ。
私と同じ顔をしている瑠璃は、私と似ているところがあるが、一番違うのは遊矢を理解しているかどうか。その差がデュエルにも出ている。此処ぞという時に、その場をひっくり返すカードを瑠璃は引き当てる。そして何度も負けた。遊矢のように複数のデッキを使うのではなく、多少のカードを入れ替えるだけのデッキに。
カードパワーは1枚を除いてほぼ互角、タクティクスもほぼ互角、カードの相性もほぼ互角。だが勝てない。その差が遊矢を理解しているかどうか。
「あとは、そうだな、セレナは何のためにデュエルをしているんだい?」
「昨日から何度も言っているだろうが。プロフェッサーの野望を叶えるために他の次元を侵略するのだ」
「で?」
「で?」
「いや、侵略した後は?」
「それは、あれ?」
「うん、おかしいことには気づけたみたいだね。偉い偉い」
「う、うるさい!!そういうお前はどうなんだ」
「オレ?オレは皆を笑顔にしたい。皆が笑顔って言うことは皆が楽しんでいるということさ。もちろん、オレも一緒にだ。父さんは皆を楽しませていた。オレは皆を楽しませて、一緒に楽しみたい。それがオレのエンタメデュエルだ」
「楽しむというのがわからない。何故楽しむ必要があるというのだ」
そう言うと遊矢はプレイングミスをしたような顔をする。
「そっか。セレナは楽しいってことがどういうことなのか分からなかったんだね。う〜ん、屋上でいいかな?」
遊矢に連れられて屋上に行くと、遊矢がテストモードで【超カバーカーニバル】を発動する。
「とりあえず、セレナも一緒に踊ってみようぜ」
「私は踊ったことがないんだが」
「じゃあ、練習だ。【カバートークン】の真似をしてみて。行くよ」
音楽に合わせてカバートークンが踊りだし、1フレーズを繰り返し続ける。とりあえず遊矢に言われたとおり、カバートークンの真似をする。それが完璧になると次の振り付けに行き、それを繰り返す。いつの間にか遊矢はもう一つのデュエルディスクに黒い縁のカードを置いて楽器を持ったモンスターを召喚していた。遊矢はそれらと一緒に楽器を演奏しながら踊っている。そしていつの間にか、私は曲に合わせてダンスを踊りきっていた。まるでコンボが綺麗に決まったような感覚に戸惑う。
「セレナ、こっちを見て」
遊矢が鏡を向けていて、そこには今まで見たことのない私が映っていた。まるで目の前にいる遊矢のような顔だ。
「これが楽しいって感情で、今のセレナは笑顔なんだよ。オレは皆を笑顔にしたい。だって良い気分で誰の迷惑でもないだろう?」
「そうだな。良い気分だ。初めてじゃない気分だ。これが楽しいってことなんだな、遊矢」
「そうさ。皆がこの気持ちを共
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