■焼酎に合う〇〇〇を探せ!
[1/2]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
店が暇な時、俺の仕事は大きく分けて3つだ。
・在庫のチェック
・作り置き出来るメニューの仕込み
・新メニュー開発
の3つだ。1つ目は当然欠かせない。艦隊運営と同じく、店の在庫のチェックは重要だ。2つ目も暇だからこそ出来る作業だな。漬け物や魚の煮付けなんかは、作って冷蔵庫に放り込んで置けば、すぐにパパっと出せる。これも大事だが、3つ目の新メニュー開発。こいつが一番難儀な作業だ。何せウチの店には決まったメニューが無い。客の気分や嗜好に合わせて、ある材料で作る、ってのがウチのスタンスだからな。一応、俺の脳内と秘伝のノートにはメモしておくが、店の壁に貼り出したりはしない。
「うーむ……。」
その日も俺は、酒瓶とある食材を目の前にしてにらめっこを繰り広げていた。客は無人。いい機会だからと友人に貰った「ある酒」と、お通しの新しいレパートリーの候補である「ある食材」のマッチングを比べていた。
「提督よ、やっているか?」
扉が開くと同時にそんな声がかかる。そちらを見ると、二人の艦娘が肩を組んでそこに立っていた。
「あぁ、開いてるよ。……てか、CLOSEDの看板出てなけりゃ開いてるのは知ってるだろ?」
「いやいや、一応礼儀としてな。」
どの口が言ってんだ、というツッコミは辛うじて飲み込む。言ったら間違いなく、ブッ飛ばされる。
「まぁ、座れよ。武蔵に霧島。」
席を勧められた二人はカウンターに腰掛けた。途端に香ってくる酒の匂い。どうやら、ここに来る前に大分エンジンを暖気してきたらしい。
「随分呑んだな?」
「まだまだ、序の口だよ。」
なんでも、今日は『九州艦娘の会』という集まりの飲み会だったらしい。艦の名前や、軍艦であった頃に九州に縁や所縁のある艦娘達の集まりらしく、定期的に飲みの席を催しているらしい。察するに、メンバーは武蔵、霧島、大淀、日向、望月、鳥海……等々と言った所か。
「ところがですね、私と武蔵さん、そして大淀以外の全員が轟沈しちゃいまして。」
と、平然とした様子でだらしない、とばかりに語る霧島。どれだけ飲んだ(飲ませた)んだよ、この蟒蛇(うわばみ)共は。大淀も二次会に行こうと誘ったらしいが、「明日も朝早いので」とお断りされたらしい。さすがだ大淀。目の前のアホ二人とはワケが違った。
「それで提督よ。貴様は何をしていたのだ?」
「あぁ、新しい芋焼酎のお通しにな。『チーズの盛り合わせ』を考えているんだが、中々決まらなくてな。」
そう、先程からの俺の悩みの種はチーズだ。友人から偶然に珍しい芋焼酎を貰ったのだが、折角だから新しいレパートリー開発に使いながら味わおうと考えたのだ。
「ほほぅ。少し酒瓶を改めても良いか?」
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ