506部分:第七十一話 せめぎ合う小宇宙その六
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第七十一話 せめぎ合う小宇宙その六
「じゃあそういうことで」
「やらせてもらいます」
こう返す彼等だった。
「それじゃあ今は」
「休みますか」
「そうだな」
また彼等の言葉に頷いたアイオリアだった。そうしてダンテにも言ってきたのだ。
「休め」
「ですが運転は」
「いい。このアイオリアが動かす」
こう言うのである。
「だから休むのだ」
「えっ、動かすって」
「アイオリア様運転できるんですか?」
「そりゃその可能性も考えられますけれど」
「運転はできる」
それはできるというのだった。
「しかしだ。運転はしない」
「しないってことは」
「けれど動かすんですよね」
青銅の者達はそれを聞いても首を傾げさせるばかりだった。
「それってつまりは」
「どういうことですか?」
「黄金聖闘士はそれぞれセブンセンシズを持っている」
これはもう言うまでもないことだった。誰でも知っていることである。
「それによって様々な力も備えている」
「ああ、超能力ですね」
「俗に言うそれですね」
「そうだ、それだ」
まさにそれだというのだった。
「それで動かすから安心するのだ」
「そんなこともできるんですか」
「黄金聖闘士は」
「実は今までは言っていなかった」
このことは、というのである。
「それは済まない」
「いえ、それはいいのですが」
「それにしても超能力で車を動かすとは」
ダンテとダイダロスはこのことにかなり驚いているのだった。そしてそれは当然のことであった。
「何ということか」
「やはりそれが黄金聖闘士なのですね」
「俺の超能力はたかが知れたものだ」
ここでこんなことも言うアイオリアだった。
「しかしムウやシャカは違う」
「あの方々はですか」
「違うのですね」
「そうだ、俺とは比較にならないまでの超能力を使うのだ」
「そうですね。御二人は」
「かなりのものかと」
「そうだ。このアイオリアのそうした力はほんの児戯だ」
まさにその程度だというのである。
「あの二人のそれに比べたらな」
「ムウ様とシャカ様はそれだけのお力があるのですね」
「そこまでなのですか」
「そうだ。そしてだ」
アイオリアの言葉はここで強いものになった。何処か警戒を促すものであった。
「あの二人の力は尋常なものではない」
「尋常なものですか」
「そこまでの力が」
「俺もまだ出会って間もないがな」
それは間もないというのである。だがそれでもわかることがわかるというのである。
「それはな」
「おわかりになられるのですか」
「それも」
「それを言っておく」
アイオリアの言葉はここでも真剣なものだった。
「特にシャカはだ」
「シャカ様ですか」
「とりわけ」
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