505部分:第七十一話 せめぎ合う小宇宙その五
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第七十一話 せめぎ合う小宇宙その五
「そして北には湖です」
「それがあるというのだな」
「地形はそうなっています」
こう話すのだった。
「それでどうされますか」
「つまりだ」
話を聞いたアイオリアゆっくりと述べてきた。
「北の湖を上手く使うのか」
「そうです」
まさにそれであった。
「無論です。ただ湖から攻めるのはです」
「それはなあ」
「意味ないよな」
青銅の者達が今の彼の提案にそれぞれ言い合った。表情は怪訝なものである。
「向こうも馬鹿じゃないしな」
「そんなの予想してるし」
「それにな」
口々に言い合うのだった。
「小宇宙で奇襲とか察知されるよな」
「相手にはアスモデウスがいるからな」
「そうだ、あの男がいる」
アイオリアの声が強いものになっていた。
「あの男を騙すことはできない」
「その通りです」
そしてこれはダイダロスもわかっていることだった。
「ですから奇襲は考えていません」
「そうか。やはりな」
「ただ。湖の方から攻めるべきです」
それでもダイダロスはこう提案するのだった。
「湖の方からです」
「何か考えがあるのだな」
「うむ」
その通りだとダンテにも返す。今はダンテが運転していた。
「あの魔神達は流石に影響を受けない」
「あの者達はだな」
「しかしだ。インプ達は違う」
彼等を見ての言葉だった。
「彼等はだ。違う」
「あの連中は水に弱いのか」
「そうだ。アーレスは火も司っている」
そのアーレスのことだった。彼等の神の。
「それだけに水には弱い」
「そうなるか」
「だからこそだ」
また言うダイダロスだった。
「ここは湖から行く」
「そうするというのだな」
「そうだ。これでどうだ」
「いいな」
ダンテはそれでいいとした。
「正直魔神を司る連中はどうにもならないのはあれだが」
「それはいい」
ここで言ったのはアイオリアだった。
「あの者達はこのアイオリアが相手をする」
「左様ですか」
「わかりました」
白銀の者達はアイオリアのその言葉を受けるのだった。
「それではその様に」
「御願いします」
「うむ、それではだ」
彼もまたそれで頷くのだった。そして青銅の者達はというと。
「じゃあ俺達はインプをやらせてもらいます」
「そういうことで」
「わかった」
アイオリアもそれをよしとした。
「それではそちらを頼んだ」
「御任せ下さい」
「存分にやらせてもらいますんで」
そのアイオリアに笑顔で返す彼等だった。
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