人形-マリオネット-part6/二つの心
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く、先日の戦いの後で消滅してしまったらしい。
「そうですか。引き続き軍備を整えるように伝えなさい」
「はっ!」
ルイズたちより先に、報告のために来た将校に命令を与え、将校は一度アンリエッタの執務室から去っていく。
「…なぁ、僕たち役に立ってるのかな?」
ふと、マリコルヌが思ったことを口にする。
「救護の手伝いとかならやったから、完全な役立たずというわけじゃないさ。たぶん…」
そんな彼にレイナールはそう答えたものの、自分たちの部隊に存在意義があるのか少し疑わしく思えてきた。結局軍関係の仕事は軍人の仕事だし、自分たちの力では怪獣も倒せない。今のところできることと言えば雑用ぐらいだ。
「ええ、レイナールさんの言うとおりですよ、マリコリヌさん。あなたたちはまだ発足したばかりの団体。他の者たちとの優劣を気にして己の自信を縮めるものではありません。それに、あなたたちをここへ呼び出したことには、頼みたい仕事があるからです」
「頼みたいこと、ですか?」
「なんなりとお申し付けください陛下!陛下のためならば、火に飛び込めと言われれば飛び込んで見せましょう!さあ!」
キラリン!と擬音と共に、自身を光らせながらギーシュはダンスの申し込みをするようにアンリエッタに手を伸ばし、彼女の前で跪いて命令を受ける姿勢を取った。…もういい加減こいつのアホくさいナルシストさ加減に、誰もが…特にモンモランシーが突っ込む気も起こさなかった。
「で、では…」
戸惑いを覚えつつもギーシュの無駄な仕草を流し、少し咳払いをしてから、アンリエッタはサイトたちに、今回の呼び出しの件について話した。
「以前、あなた方に頼もうと思っていたことを、今回実行させてもらいたいと思っていたのです」
「アルビオンとラ・ロシェールの間の上空の爆発と、そこから落下した謎の影の調査、ですね」
ジュリオがまとめると、アンリエッタは静かに頷いた。
「敵が怪獣を仕掛けてきたことも懸念されます。
ただ、これを無理に処理しろとは言いません。あくまで調査し、危険な存在だった場合は近隣の者に避難を呼びかけ、王室に報告してください。軍の者を派遣し対応しましょう。
サイトさん、申し訳ありません。サイトさんの場合、ミス・ウェザリーとハルナさんの方を優先して探したいとお考えだとは思いますが…」
「……」
申し訳なく謝罪を入れてくるアンリエッタに、サイトは言葉を発さなかったが、ギリッと唇を噛みしめた。すぐにハルナを助けに行きたかった。だが、彼女や首謀者であるウェザリーがどこにいるのか見当もつかない。彼女の身がすでに魔の手に落ちつつあることを考えると、気が逸ってしまう。
『わかってるとは思うが…落ち着けよ、サイト。次はもう失敗しねぇ。次に会うときは今度こそハルナを取り戻してやろうぜ』
『…うん、大丈夫。わかって
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