人形-マリオネット-part6/二つの心
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スタの最高権力者伴っている、シェフィールドのものだ。彼女がガーゴイルを通してウェザリーに話しかけていた。
「別にあの子自身がどうなろうと私は構わないわ。私の目的を達成させるために、『あの方』が私によこしてくださった人形、ただそれだけなのだから」
『あなたも大概悪い女ね』
「あなたほどじゃないわ」
『褒め言葉として受け取りましょう』
ガーゴイルの口から、シェフィールドの少し開き直ったような声が出る。
『万が一あなたが失敗するようなことがあっても、安心しなさい。後は私が新たな手を売っておいてあげる』
「その必要はないわ。私の手で、このトリステインを終わらせ、闇に満たす」
その瞳に、灼熱の業火のような激情を宿しながら、ウェザリーは言った。
「それより、あなたの方こそ今はどんな状況なのかしら?もう一人の、虚無の娘と…その使い魔のウルトラマンを探しているんじゃなかったのかしら?」
『…恥ずかしいことに、私もなかなかはかどらないわ。けど、時間はまだあるし、居所をつかんでいるわ。
思わぬ収穫も、拾うことができたからね』
「へぇ…それはよかったわ」
同じ組織に属する者同士。しかしその実態は、互いの利害の一致だけで結ばれていることが、気を許していそうで許していないことが、二人の声質から伺えた。
『ともあれ、次はそこの街でウルトラマンゼロを迎え撃ち、可能ならば奴を確保して頂戴。トリステインの虚無は、必ず活かした状態でね』
「…ウルトラマンゼロ自身は、殺しちゃってもいいわけ?」
『ええ。奴は構わないわ。奴の場合、殺した後でも…「使い道」はあるから』
「…やっぱりあなたは…私より悪い女ね」
ウェザリーはシェフィールドに対して、不敵に笑いながらそう呟いた。
ウェザリーから現在の彼女の状況を聞き、シェフィールドはウェザリーのもとにいたガーゴイルを彼女の前から立ち去らせた。
ガーゴイルが去ったのを確認すると、ウェザリーはその部屋の中央の床の上に置かれた黒い立方体の物体に目をやる。ゼロとファウストの戦い直前に設置した、マイナスエネルギー吸収装置だ。
(トリスタニアの町につけていた…『レプリカレーテ』はこの町に運び込んでおいた。後はこの街のさらなる闇を吸い上げ、ファウストの力を強化する。
たとえウルトラマンが強力になって現れても…
私の復讐計画に狂いはない)
「回収は澄ませた。後は…」
ガーゴイルを下がらせた後、アルビオンのロンディニウム宮殿の一室にいたシェフィールドは机の上に置かれた機械、バトルナイザーを見やる。一度預けていたが、メンヌヴィルから「やはり俺は自分の力で相手を焼きたい」という意見で突っ返されたものだ。そのバトルナイザーの中には、怪獣が数体ほど保存されていた。
「場所も特定できた。今度こそアルビオンの虚無
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