人形-マリオネット-part6/二つの心
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たが顔を出すのを許してもいいぞ」
『そんなことをしてなんになるの…』
サイトが、自分だけのサイトになる。それは…サイトに思いを寄せるハルナとしては悪い話ではない。けど…手段が問題だった。無理やり振り向かせるために、自分以外の誰かのことを顧みようとしていない闇人格に、意味はないと伝えるが…やはり闇の人格はそれを聞き入れなかった。
「じゃあ、サイトの隣に別の女がいる姿をずっと見続ける方がいいのか!?
あたしじゃない誰かがいるんだぞ?それも…サイトをこんな醜い世界に無理やり連れてきたルイズだ!あんな女に…サイトを奪われる…んな勝手を、あんただって許しておけないだろ!!
それに、このままあいつがウルトラマンとして戦い続ければ…間違いなくあいつは誰かに殺されることになるぞ?ルイズのため、こんな醜い世界のためなんかに…あいつがなんで戦わなくちゃいけないんだ!!」
『仕方ないじゃない…それが平賀君の選んだことなら…』
自分が彼の…思い人として選ばれないとしたら、それを受け入れなければならない。その方がサイトも幸せなはずだ。それでも闇の人格は受け入れない。
「偽善者!嘘つきが!黙れ黙れ!あたしは…他の女なんて認めない。ましてルイズなんて論外だ!あたしだったら…サイトを手に入れられるんだぞ!サイトの腕の中で、あたしだけが抱きしめてもらえるんだ…!
今度は力を貸せハルナ。ルイズをウェザリー様たちに献上して、あたしたちだけを見るサイトを手に入れるためにね!」
『やめて…やめて!!私はそんなこと望んでない!』
かたくな自分の闇の部分の言葉を否定するハルナに対し、闇の人格は鼻で笑ってきた。
「よく言うぜ…あたしはあんたの心の闇を、ウェザリー様が新たな人格として確立した存在…もう一人のお前自身だ。あたしの考えていることはつまり、今まであんたが抱いてきた負の感情そのものなんだよ…嘘なんかつけるものか」
『違う…そんなことない!!』
しかし……否定を入れている彼女自身が…闇の人格の言うとおりわかっていた。
自分の中には、やはりどうしてもルイズに対する憎しみと怒りがある。ルイズとて望んでサイトをこの世界に呼んだわけではないし、彼女も本当はツッケンドンとした態度をとるが自分以外で最もサイトを強く思う優しい少女でもある。
だが…どうしても、気に食わないと思う自分がいた。
異世界に無理やり召喚したということを除いても…サイトの隣に彼女が立っているという事実が。
「……そろそろ限界かもしれないわね」
その一方で、明かりがろうそく一本という真っ暗な部屋で、ハルナが自分の二つの人格同士で話をしているのをウェザリーは観察していた。
『あら、人形の調子はあまりよろしくないのかしら』
すると、そんな彼女の横に、一体のガーゴイルが飛来する。現在事実上レコンキ
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