人形-マリオネット-part6/二つの心
[3/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
て、後で後悔するくらいなら…ハルナちゃんを何が何でも助けたいって思うだろ?」
「はい…」
否定できない。なにせ、リッシュモンにいいように利用された挙句ころされてしまったミシェルを救えなかったとき、そのことを強く感じていた。
「自信を持つんだ。最後まで諦めないで、彼女を助け出そう。たとえ何度失敗することになろうとも、次に必ず成功させてみせる!って気合で。そうしないと、できることもできなくなってしまう。
いいかい、サイト君。大切なのは…『信頼と勇気』だ」
「信頼と…勇気…?」
「自分とゼロの力を、そして彼女の心を信じるんだ。それが、ハルナちゃんを救う力になるはずだ」
「……」
そうだ。俺は彼女を守ると誓ったのだ。確かに前回の戦いでは、結局取り逃がすという結果になってしまったが、何度失敗しても、何年かかっても…絶対にそうしなければ自分の気が収まらない。
『サイト、俺も今度は絶対にミスったりしないように全力でやる。お前の友達を、あのままにしておくなんて目覚めが悪いからな。ちゃんと、お帰りって言ってやろうぜ』
「俺っちは、あくまで相棒の剣だ。どんな選択を選ぼうと、俺は相棒の意思を尊重する。あの娘っ子を助けたい気持ちが本物なら、迷んでねぇでそうしてやれ」
「ゼロ…デルフ」
サイトは胸をぎゅっと握り、自分の相棒たちの言葉を受け止めた。
「すみません、春野さん…俺、思わず当たってしまって…」
「いいさ。そうしたくなることだってある。それよりも、女王様が来てくれって言っていたよ。行こう」
「はい」
サイトはムサシに連れられ、王宮へ戻って行った。
その頃、ダークファウストとして自らの正体を明かし、ウルトラマンゼロと交戦したハルナはというと…。
「ちくしょうが…なぜ邪魔をした、ハルナ!?」
どこかの町の暗い裏路地にいた。
この時の彼女は、ファウストに変身した直前と同じ、後ろ髪をポニーテールに結っている状態だった。どうやら今はウェザリーの魔法で作られたファウストの人格が表に出ているらしい。
『こんなことをして、なんになるの?馬鹿なことはやめて!』
そんな彼女の脳裏には、ハルナの本来の人格が、今の彼女に訴えていた。
「うるさいうるさい!あたしはあの女からサイトを奪い返してやるんだ!そして、あいつをウルトラマンとしての役目からも、ルイズの使い魔としての使命からも解放して、あたしだけのものにしてやる…」
だが、ハルナの闇の人格はハルナの訴えを聞こうとしなかった。
『そんなことをしたって…平賀君は必ず同じ道を選ぶはずよ。わかるでしょう?平賀君は…そういう人だもの』
「じゃあ、ウェザリー様に奴の頭の中をいじってもらえばいい。あたしたちだけを見る、サイトが出来上がる。そうだな…これからはこの体はあたしのものになるが、たまにならあん
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ