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SAO《サルベージ・アラサーお姉さん》
仮想現実に閉じ込められたアラサーの私
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なかったけども。
 よって私は休日の間、毎日ゲーセンに赴いた。仕方無しに赴いた。目的は勿論、音ゲー。休日2日目、音ゲーコーナーに不良達約10名が屯っていたが、その不良達は地元の普通化高校の生徒だったので、すぐさま高校に報告。しばらくしたら高校教師達約20名がやってきて、不良達は強制連行されていった。全く愚かだが、それにしても20名なんてよく集まったな。授業そっちのけか?
 まあそういう事もあって。
 休日最終日。11月6日は正に、最新技術を駆使して作り上げたVRMMORPG、ソードアート・オンラインの正式サービスが開始する日である。ネットではSAOが買えて狂喜してる奴もいれば、買う事ができず悔しがる奴もいる。初のVRゲームという事もあって、多くのメディアがそれについて取り上げている。
 そして、現時刻は12時55分。サービス開始の5分前である。キャリブレーションとかいう身体全体を触るという見方によっては卑猥な行為を済ませ、今はナーヴギアを頭に装着しつつ、ベッドに寝転がりながら、本を読んでいる。何を読んでいるのかというと、中村文則による小説「教団X」である。私自身としてはこの小説は面白いのだが、Amazonのレビューはとても荒れている。曰く、内容が分からない。曰く、意味が分からない。恐らくこの者達は、純文学というジャンルをよく分かっていないのだろう。純文学は一般受けを狙った作品ではない。純文学は、起承転結が分りにくい作品が多く、暴力や性行為は多くて至極当然、道徳に背いたのも数多く存在している。それらを弁えていないのなら、純文学を一生読まないでほしいし、そもそも本のレビューを書いてほしくない。レビューを書くにあたって、まずはその本のジャンルをしっかり理解する事が大切だ。
 さて、サービス開始まで残り10秒。教団Xを閉じて枕元に置いた。仮想現実は、どれ程まで現実なのだろうか。淡い期待を胸にして、

「私を楽しませなかったら、即刻ワゴン行きだから」

 と呟いた。
 そして、残り零秒。13時。

「リンクスタート」

 SAO正式サービスが開始した。



 初期設定みたいなのを適当に済ませ、仮想現実にやってきた私。
 まず、仮想現実だというのに現実と遜色の無い世界に対して驚愕した。社会構築、人間関係。見た限り現実のそれと何ら変わりない。NPCも感情豊かで何より、性格が一つ一つ、個人個人に定められていて、このゲームを作った奴は一体どれだけのプログラミング技術を持っているのやら。私の理解の範疇を超えている。
 そして、このゲームにログインして降り立った時、背後から「帰ってきたんだ、この世界に!」という結構痛い文章を結構大きい音量で平然と口にしていた奴がいた。まあ、私には関係無かったしどうでもよかったので、見向きもせずにその場を離
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