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SAO《サルベージ・アラサーお姉さん》
仮想現実に閉じ込められたアラサーの私
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ある。部署は製造部。おおよそ女性が入らない、入らないというより入りたがらない部署で働く事になった。やる事は一つ。旋盤でひたすら部品の元になる素材を削るだけ。単に削るといっても寸法とか決められた事が結構あるので、それに従って削るのである。洒落ではないが、体力も精神も、結構削れる。まあそれでもひたむきに会社の命令に従い完璧に仕事をこなしていたので、その実績が認められ、先日平社員から主任に昇格した。栄えある昇格と言ったら、そうなのだろうけれど、主任に昇格したところでやる事は変わらない。いや、変わらないといったらそれはそれで嘘になるだろう。旋盤で鉄を削る他、やる事が増えた。まず部下の世話。といっても、そのほとんどがゴールデンウィーク前に辞めていったので(こんな事は本来ありえない事)、今のところ部下は一人だけである。しかも男である。しかしだからといってどうという事は無いが、少なくともその部下が辞めていった奴らと違うのは、大いに解せる。そしてもう一つ、書類作成が増えた。国語や情報処理は普通より上の成績だったのでそれ程苦じゃないが、稀に物凄い量の書類を任される事があるので、その時ばかりは苦である。
 まあ、そんなわけで。
 今日、私は27歳を迎える事になった。働き始めて9年と数ヶ月、俗に言うアラサーの仲間入りを果たした私だが、あと3年もすれば、それこそ本当に本格的にアラサーである。別に彼氏が欲しいとか結婚願望とか、そういうのは私は持ち合わせていないので別に苦労はしない。というか、更に男が寄って来なくなるので、私としてはとても嬉しいのである。ゲームセンターで会社の昼休みをよく潰しているのだが、どうにも男の視線が気になるのである。まあそれは、作業服を着たままだからであって、自然と目を引いてしまうのだろうが、しかしそれでも気になるものは気になる。Dance Dance Revolutionという音楽ゲームをしている時は特に男達の視線を集めてしまうのだ。だから私にとってアラサーというのは、とても喜ばしい事なのである。にしても、何故あれ程までに視線を集めてしまうのだろうか。別に凄いゲームの腕前をしているわけではないし、果たして一体何なのだろうか。………………胸? いや、それはないだろう。何故なら作業服で固定されているからである。揺れるものも揺れないのである。
 そんなどうでもいい事はさておいて。
 今日、職場から家に帰って書類の整理をしていると、佐川急便が何やら私宛の荷物を届けてきた。
 それなりの大きさで、それなりの重さのダンボール。発送元は……アーガス? 一体このダンボールの中には、何が入っているのだろうか。
 ――おっと、開ける前に書類の整理をしておかないと。整理していなくて、課長に怒られたら嫌だし。
 ものの数分で書類の整理は終了し、遂に開ける時がやってきた。
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