第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#26
FUTURE’S MEMORYU〜Darkness Hell Crowd〜
[9/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
O……』
眼前で、頭上で、視界に留まらない部分で、大きく蠢く巨竜の噴煙。
ソレが一挙に前方へとたなびき、尖るような流線型へと集束していく。
“最硬” の防具は、それ乃 ち “最硬” の武器。
中世の騎士にも、頑強な鋼鉄盾で相手の首を圧し折り
顔面を潰滅させる闘法が存在した。
イルヤンカのコレは、その守備攻撃の最足るモノ。
不滅の障壁を身に纏い、疾風怒濤の勢いで相手に襲い掛かる極大技。
甲竜冥吼。覇濤の朧鎧。
“葬 鐘” の流 式。
【幕 瘴 壁・闇 嶽 叢 雲】
流式者名− “甲鉄竜” イルヤンカ
破壊力−AAA+++ スピード−A++ 射程距離−最大半径500メートル
持続力−D 精密動作性−C 成長性−E
『GOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO
AAAAAAAAAAAAAAAAHHHHHHHHHHHHHHHH
HHHHHHHHHHHHH―――――――――――――――――――
――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
文字通り、天が震え地が裂けるほどの咆哮が、巨竜の全身から発せられた。
足下を岩盤まで突き抜く蹴り込みと共に、
瘴壁自体がジェット噴射のように超高熱の奔流を吐き出し、
ソレに伴って巨竜の本体が鈍色の朧鎧を纏ったまま突進してくる。
その威容は正に、冥府の魔天を覆い尽くす暗闇の雲。
瘴壁自体の硬度、速度に伴う摩擦熱、
ソレよりナニよりその極大なる総質量!
そのスベテが突進のエネルギーに加わり、
破壊力の瞬間最高値は 「測定不能」 にまで達する超焔儀。
単純で在るが故に深遠。
全体の放つエネルギーの総量が余りにも、
余りにも凄まじ過ぎるが故に、
撃砕技というより最早 『波動の砲撃』 に近い。
無論、ソレを防ぐ事の出来る者、現世と紅世のどこにも能わず。
“最硬” の鎧が相手に有る以上、破れる道理など何れにも存在せず。
形在るもの、悉 く塵滅せざる負えぬ也。
莫風の瘴撃が、都市の街並みを呑み込んでいった。
音はした筈だった、地も覆 った、空すら誇張なく歪み切った、
にも関わらずソレらは巨竜の存在、その重圧に拠って塗り潰された。
まるで、スベテがスローモーションになったかのように、
否、事実そのように、ゆっくりとただ、スベテは破壊れていった。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ