第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#26
FUTURE’S MEMORYU〜Darkness Hell Crowd〜
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ービンが、
夥しいマズル・フラッシュを散らして魔朧に包まれた古の巨竜へと襲い掛かった。
「クゥゥゥゥゥゥゥオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォ――――――――――――――――――――――――ッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
“両手構えの機関銃”
カスタムパーツにより重量4sを超えるフルオートの重火器を
滅茶滅茶に交差しながらジョセフは一斉射撃を繰り返す。
途中、弾倉の交換もスムーズに、
一秒の間も置かずドス黒く霞む煙の向こう側を蜂の巣にする。
当然、抜け目無いこの男のするコト。
銃把から薬室に波紋を送り込み、
摩擦軽減と兼用で塗られたグリースを経由して 『波紋特殊弾』 を生成、
吸血鬼にはまさしく悪魔の兵器として殲滅を行う。
冥暗の彼方に、鮮赤の光を放つ弾丸が5千発以上消えていった、
着弾音、反撥音、更には射出の残響すらソレに呑み込まれた。
「……気が、済んだか?」
鈍色に霞む 『瘴壁』 の向こう、巨竜の輪 郭が瞳だけを
赤く滲ませて言った。
だらりと両腕を下げ荒い呼気を吐き出すジョセフの手から
二つのマシンガンが路面に落ちる。
弾は全て撃ち尽くした。
ただ乱発するだけではなく 『瘴壁』 の脆そうな部分を狙い一点集中、
相手の動きも予測して弾速に緩急も織り交ぜた。
“にもかかわらず” 一発も、着弾は疎か破片が掠った気配すらない。
まさに当代 “最硬” 嘗て紅世最大の宝具 『天道宮』 の突進すら止めた不滅の防御壁。
破れるのは、彼と同じく “鐘” の 『両翼』 を担っていた男の最強技
『虹天剣』 のみと云われていたが “今” となってはその根拠も危うい。
何故なら、DIOの血によって死の淵から甦り、
“吸血鬼” と成ったイルヤンカの『幕瘴壁』 は、
生前を遙かに凌ぐモノへと変貌していたからだ。
そうでなければ、波紋を込めた最新兵器の、
総数10000発以上の高速回転徹甲弾を無傷でヤり過ごすコトは絶対に不可能。
あくまで “業” として大別するなら、
アラストールの焔儀にも匹敵する威力だったのだから。
(へ、ヘヘ……シュトロハイム、よぉ……
おまえなら、こんな時でもいつもように、「祖国」 を誇って強がるか?
でも、流石に……)
“我がナチスの科学力は世界一ィィィィィィィィィィィ!!”
スターリングラードで、名誉の戦死を遂げた、
アイツの叫声が聞こえたような気がした。
自分と再会せず、墓標すら遺さず逝った戦友。
また逢えるかもしれねぇ、不安や恐怖とは別の意味で
ジョセフはその想いを噛み締めた。
『UUUUU……GOOOOOO
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