第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#26
FUTURE’S MEMORYU〜Darkness Hell Crowd〜
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刮ぎ捻じ切るような衝撃を伴って吹き飛ばした。
ヴァッッッッッッッッギュアアアアアアアアアアアアアア
アアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ――――
――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!
ブ厚い鋼板が、融解しながら飛散するような感覚。
波紋が確実に流れ隅々まで行き渡った残響。
使う者の技量が高ければ高いほど、その密度は色濃くなる。
天地を鳴動する伝説同士の戦い、しかし、
その終焉は得てして呆気ないモノ。
半世紀振りに握った武器に、アノ男の姿が過ぎったのか
それを持つ手がブルブルと震えた。
「なんとか、勝ったか……
吸血鬼化してたから波紋の威力が最大に成ったとはいえ、
本当に恐ッろしい相手だった。
威圧感も絶望感も、ワムウやエシディシに劣らねぇ。
まともにブツかったら、正直勝ち目なんかなかったぜ……」
余裕盤石に見えたジョセフだったが、
実際はイルヤンカの畏るべき顕力に肝を冷やしていた。
勢の虚、気の虚、そして意識の虚を突き、
一気呵成に攻めなければおそらくやられていただろう。
イルヤンカが完全に本気になっていなかった事、
得意の巧弁でこちらのペースに巻き込めた事、
多分に 『運』 に助けられた面も有るが、
それでも酷使した肉体と精神の消耗は激しかった。
「……」
自身の重量によって、大地に滅り込む形となった巨竜の亡骸、
せめてその最後は見届けてやろうとジョセフが足を踏み出した時。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッ!!!!
突如、陥没した大地、巨竜の墓標から、
イタリア、ヴォルガノ島の 「火山」 を想わせる夥しい噴煙が
凄まじい圧迫感を伴って爆発的に放出した。
途端に、今は存在しない筈の左手の部位が痛み、
その部分を補う義手がキリキリと軋む。
在り得ない存在、波紋が効かない吸血鬼、
脳裡に否応なく甦る “アノ男” の姿を感じながら、
ジョセフは戦いが終結どころかまだ始まってもいなかったコトを思い知らされた。
「ぬうう……よもや、人間相手に “コレ” を使う事になろうとはな……
統世王殿の助言、そして実際に貴様の業を視ていなければ危うかったぞ……」
正に、冥府の底から這い擦り出してきたかのような昏い声。
紛う事なき、先刻の巨竜のものであるが
その姿は気流に “流れない” 高密度の煙によって覆い尽くされている。
実体の無い、常に滞留し属性を換え続ける鈍色の甲冑、
そ
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