IFエンド 「アリサ・バニングス」
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くから他に用がないなら切るわよ」
『うん、ショウくんとのデート楽しんでね。あっ、ついカッとなってケンカとかしちゃダメだよ。落ち込んでるアリサちゃんを励ますより惚気話を聞く方が楽なんだから』
「うっさい、一言余計よ。じゃあね」
そう言ってあたしは通話を切る。
怒鳴りはしなかったけど、最後のはどう考えても余計だと思うのはあたしだけだろうか。あたしのためを思って忠告してくれているんだろうけど、正直に言って素直に喜んだりはできない。
……と言っても、あいつへの気持ちで悩んでたあたしの背中を押してくれたのってあの子なのよね。
すずかが居たからあたしはあいつに告白することが出来た。だからこそ今がある。そう考えるとすずかへの悪口を言うのに罪悪感を感じるわ。
そんなことを感じている内に待ち合わせ場所へと到着する。ほぼ待ち合わせしていた時間になっているけど、他にも待ち合わせしている男女が多数居る。この中からあいつを探すとなると地味に骨が折れるかもしれない……
「よう、久しぶりだな」
聞こえた声に反応して後ろを振り返ると、そこにはあたしの彼氏の姿があった。昔から分かっていたことだけど、相変わらず感情が表に出ていない。
前から分かっていたことではあるけど……何というか微妙に癪に障るわね。毎日のように会ってるのなら別に良いけど、久しぶりに彼女に会ったんだからもう少し嬉しそうにしてもいいでしょうに。
「ええ、久しぶり」
「……何か怒らせるようなことしたか?」
「別に何もしてないわよ」
素直に言えば変わる気はしないでもないけど、それは何だかあたしが会えなくて寂しがってたというか、もっとあれこれしたいと思われそうで負けた気になる。
こういうところが人から素直じゃないとか言われるところなんでしょうけど、ただあたしはあたし。自分を偽ってまで人に好かれようとは思わないわ。まあ仕事とかなら話は別だけど。
「ならいいが……何かあれば言ってくれよ。鬱憤を溜められてすずかとかに当たられでもされるのは困るし」
「なら言わせてもらうけど、今の一言は余計よ」
あんたが隣に居るんだからあんたへの鬱憤はあんたにぶつけるに決まってるじゃない。というか、何でそこですずかが出てくるのよ。子供の頃から付き合いがあるのは分かってるけど、まるでよく話してるみたいな口ぶりで言わなくてもいいと思うんだけど……。
もしかしてすずか……あたしがこいつへの愚痴とかこぼしたり、惚気と思われるようなことを言っちゃってるからこいつに連絡してるんじゃないでしょうね。
あの子大人しそうな顔してるけど、割と茶目っ気があるというかイイ性格してるから不安になるわ。……こいつのこと狙ってるとかじゃないわよね。……うん、さすがにこれは考え過ぎだわ。あの子はあたし
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