IFエンド 「アリサ・バニングス」
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窺うように訪ねるんじゃなくビシッと言いなさいよ。
そんな風に思わなくもないけど、ビシッと言われるとそれはもうあたしの知るすずかじゃなくなるのよね。フェイトに似て内気な方だし、1歩引いて相手を立てる大和撫子みたいな子だから。
故にまあこれがすずかよね、ということに結局落ち着いてしまう。
「いいわよ……って言いたいところだけど、あいにく今日は先約があるのよね」
『そうなんだ……あ、ふふふ』
「何で急に笑うのよ?」
『ううん、別に何でもないよ。ただ今日のアリサちゃんはイチャイチャするんだろうなって思っただけで』
笑いながら言っているであろう声からしてすずかはあたしが会う人物が誰か分かっているんだろう。しかし、だからといって……
「別にイチャイチャなんかするつもりないわよ。というか、何であんたの脳内ではあたしがショウとそういうことすることになってんの!」
『ふふ、私はショウくんとなんて一言も言ってないんだけどなぁ。それにアリサちゃんはショウくんの彼女でしょ。イチャイチャする理由はちゃんとあると思うんだけど?』
揚げ足を取られる言葉にあたしの羞恥心はさらに増し言葉が詰まって反論できない。
あぁもう……何であいつの名前を口にしちゃうのかしら。これじゃあ本当にあたしがあいつとイチャつくことを考えていたみたいじゃない。……まあ全く考えてなかったかと言われたら嘘になるけど。あいつはあっちに住んでるし仕事もしてるからなかなか会えないし。
けど、そもそもすずかが茶目っ気を出さなければいいだけなんだけど。冷静に考えると昔からそういうところはあったにはあったけど、あたしがショウと付き合うようになってから頻度が増した気がするわ。
「あのね、外で会うんだからあんたの思ってるようなことはしないわよ」
『ならどこかに入ったらするんだ』
「しないわよ!」
……あいつがしたいって言うなら別だけど。甘やかすつもりはないけど、今は毎日顔を合わせられるわけでもないし。腕を組んで歩いたり……周りに誰もいないならキスをしても。あいつがゆっくり出来るのなら……その…………それ以上のことも。
すでに何度かしてるわけだし、あたしにだってそういう欲求はあるわけで。あっちにだって同じようにあたしを求める欲求はあるわけだし、望むのなら応えてあげるのが道理というものでしょ。
そもそも、あたしとあいつは遠距離恋愛……地球とミッドチルダっていう一般人からすれば考えられない距離での恋愛をしているのよ。
しかもあっちには今でもショウのことが好きそうな子達が結構居るわけで……あいつが浮気なんてするなんて思ってないけど、酒に酔った勢いでとか禁欲し過ぎで爆発しそうな時に誘惑されたら間違いが起こる可能性は十分にある。
「そろそろ待ち合わせの場所に着
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