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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
IFエンド 「アリサ・バニングス」
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。いつものように顔を合わせていたのになかなか会えなくなるのは寂しいことだけど、それでも自分の夢のために選んだことなのだから止められるはずもない。
 だけどなのはもフェイトもはやても……滅多にこっちに戻らないのよね。
 仕事が忙しいのは分かるし、あの子達の仕事が多くの人達の助けになっていることも知っている。でもあの子達だって普通の人間だ。笑いもすれば泣いたりもする。魔法なんて力を持っているだけのただの女の子。休まずにずっと頑張れるはずがない。
 それに……ひとりで抱え込む癖があるから余計に心配になる。話してもらったところであたしが力になれることはないのかもしれない。でもだからって友達が苦しんでいるのに何もできないのは嫌だ。たとえ待つことしかできないのだとしても、ここがあんたの帰って来る場所なんだと言うくらいのことはあたしはしたい思ってしまう。

「…………だからなのかしらね」

 最初は定期的にこっちに帰って来るあいつを経由してあの子達に気持ちを伝えるのが主な目的だった。
 だけど、あいつにも辛い過去がある。こうだと決めたらそれを貫き通す意思がある。誰かのためなら傷つくことを厭わない強さがある。それに……弱みを見せずに抱え込んでしまう脆さがある。
 それが話す度に分かってきて、気が付けばなのは達と同じように放っておくことができない存在になっていた。いや……あの子達よりも休みを取る真人間なだけに余計に心配していた気がするわ。
 そのせいかこっちから連絡を取るようになったし、定期的に帰って来ないと不安に思うようになった。だから顔を合わせた時は安心したし、別れる時は寂しさも相まって心が揺れた。
 そんな日々を過ごす内にふと自分の気持ちに気が付いた。
 気が付けばあたしはあいつのことを誰よりも心配していることに。あいつからあいつやあの子達の話を聞くことを楽しみにしていることに。そして……

「――あたしがあいつのことを……」

 ショウのことを……好きになってしまっているということに。
 それが分かった時、とても恥ずかしくてむず痒くて……それと同時に嬉しくもあり、悲しくもあった。好きになってしまった自分を責めもした。だって……あの子達の中にはショウに想いを寄せている子が居たから。それも昔から分かっていたから。
 そのとき、不意に体に振動を感じる。揺れ方からしてマナーモードにしていたケータイが振動しているようだ。この揺れ方からして着信中なのだろう。ケータイを取り出すとそこには《月村すずか》と表示してある。

「もしもし?」
『あ、アリサちゃん。今大丈夫かな?』
「ええ、問題ないわ。それでどうしたの?」
『えっとね、簡単に言っちゃうと暇だからどこかに遊びに行こうってお誘いなんだけど……』

 長年の付き合いなのだから顔色を
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