500部分:第七十話 先手その五
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第七十話 先手その五
「ではだ。相手をしよう」
「レオ、貴様がか」
「貴様が我等の相手をするというのか」
「不服か」
こう彼等に問い返してきた。
「それは」
「いや、それならばだ」
「喜んで受けよう」
彼等とてそれを拒むつもりはなかった。
「黄金聖闘士の一人である貴様は何があっても倒すつもりだった」
「ならばだ」
彼等もそれぞれ前に出た。明らかに戦うつもりであった。
「その申し出受けよう」
「他の者はどうするのだ?」
「当たり前だろ」
「俺達だってな」
青銅の者達がまず前に出た。
「やらせてもらうからな」
「御前等全員倒してやるぜ」
「その通りだ」
「我等も容赦はしない」
ダンテとダイダロスも前に出た。
「覚悟はいいな」
「戦わせてもらうぞ」
「いや、それはいい」
ところがだった。アイオリアが彼等に対して告げてきたのだった。
「御前達は見ておいてくれ」
「えっ、アイオリア様」
「まさか御一人で」
「そうだ、ここは俺に任せてくれ」
実際にこう告げるのだった。
「このアイオリアにだ」
「そのつもりだったのですね」
ダイダロスはその彼の言葉を受けて述べた。
「最初から」
「そうだ。ここはこのアイオリアが一人で戦う」
実際に述べたのだった。
「この者達とな」
「わかりました」
その言葉を受けてそのうえで静かに言葉を返すだけのダイダロスだった。
「それではそうされて下さい」
「だよな、アイオリア様がそう仰るのならな」
「俺達もな。それでな」
「いいか」
「ああ」
青銅の者達もそれで納得するのだった。
「じゃあアイオリア様、それで」
「頑張って下さいね」
「うむ、そうさせてもらう」
アイオリアも彼等の温かい言葉に応える。
「ここはな」
「アイオリア様ならば」
ダンテも言うのだった。
「間違いはないからこそ」
「済まない」
彼等の心を受けての言葉だった。
それがアイオリアをさらに前に出させた。そしてそれは狂闘士達も見ていた。
確かにアイオリアは一人である。しかしその彼を見ながらザカリアは他の狂闘士達に告げた。
「いいか」
「はい」
「わかっています」
「レオはただ強いだけではない」
彼等も既にそれを見抜いているのだった。
「その心もだな」
「そうですね、あれだけ信頼されているということは」
「かなりのものです」
「まさに獅子だ」
ザカリアは彼をこう評した。
「その称号に相応しい」
「確かに」
「強さだけでなく」
「レオよ」
ザカリアはあらためてアイオリアに対して告げた。
「では行くぞ、若き獅子よ」
「いいだろう。来い」
アイオリアはその黄金色の小宇宙を今これ以上はないまで
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