―ティアドロップ―
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イントはもはや普通のデュエルと変わらないほどに落ち込む。最後に守備表示で特殊召喚されていた《真紅眼の黒竜》が、ホープ・カイザーに破壊されてしまい、吹雪のモンスターは全滅する。
「……すまない……レッドアイズ……」
「……ふん。カードを三枚伏せ、ターン終了する」
それでも守りきってくれたレッドアイズたちに、礼を言う吹雪を後目にしながら、藤原は残る三枚、全ての手札を伏せてターンを終了する。これで戦闘ダメージ半分のデメリットも消え、ナンバーズ五体が藤原のフィールドに残る。
「だけど藤原、僕は耐えられただけで充分さ」
「何?」
「知ってるだろ? 亮はこの状況、どうにでも出来るってこと」
「っ……!?」
「俺のターン、ドロー!」
吹雪の言っていることはただの妄言ではなく、藤原に思い至ることがあるからこその警戒。そしてアカデミアのカイザーは、無感情のように見せかけて内心に意志を込めながらカードを引いた。
「墓地の《サイバー・ドラゴン・コア》は、フィールドにモンスターがいない時、このモンスターを除外することで、デッキから《サイバー・ドラゴン》を特殊召喚する!」
カイザー亮の十八番。墓地の《サイバー・ドラゴン・コア》を除外することで、遂に純正の《サイバー・ドラゴン》がフィールドに現れる。もちろん五体のナンバーズに適う筈もないが、それもすぐに変わる。
「リバースカード、オープン! 《DNA改造手術》! ……選択する種族は当然、機械族!」
先の亮のターンから伏せられたままだったリバースカードが開き、《DNA改造手術》はフィールドのモンスター全てを機械族としていく。そして機械族となった以上、どんな耐性を持っていようと、その一撃に耐えられるモンスターはいない。
「《サイバー・ドラゴン》と、フィールドの機械族を全て融合し、《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》を融合召喚する!」
どんな耐性を持っていようが、融合素材とするという最高の除去に耐えることは出来ずに、ナンバーズ五体は《サイバー・ドラゴン》とともに時空の穴に吸い込まれていく。そして新たな融合モンスター――《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》へと生まれ変わった。
「《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》は、融合素材の数×1000ポイント。よって攻撃力は6000ポイント」
藤原の残るライフポイントは3600。攻撃力6000となった《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》から守るモンスターは、全て融合素材となって藤原のフィールドにはいない。
「…………」
つまり《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》にのダイレクトアタックにより、そのライフポイントは0となり、亮と吹雪の勝利が決定する――筈だが、藤
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