暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
定食屋とかで隣の席の人とかが食ってるの見てると、無性に食いたくなる。あんな感じ
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の餅のようにムニュ〜っと伸びそうな位ユルユルだ。

「うわぁ、美味しいですねぇコレ?」

「そうかぁ?普通だろ。野菜とかカレールーとか、その辺で買える物ばっかだぞ?」

「作る人の腕が良いんですよ、きっと。」

 そう言われたら悪い気はしない。



「でも不思議ですよね、何で一晩経ったカレーの方が美味しいんでしょう。」

 「確か……火が通った事によって、具材表面の細胞壁が破壊されて、そこからルーに具材の旨味が染み出すから……とかなんとか。」

 確かそんな話をしているTV番組を見た記憶がある。と、そこへまた誰かが入って来る。

「チーッス提督。お、赤城さんまでいるじゃ〜ん。」

 航空巡洋艦、鈴谷だ。そのフランクな喋りとJKっぽい見た目から、ソッチ方面の人気も高い艦娘だ。確か今日は赤城と同じ艦隊で出撃したメンバーだったハズだ。

「飲みに来たんだけど……二人して何食べてんの?」

「「昨日のカレー。」」

 二人の言葉が絶妙にハモる。

「鈴谷も飲むつもりだったけど……二人の食べっぷり見てたらお腹空いちゃった。鈴谷もカレー!大盛りね?」

 そこからはもう芋づる式だった。鈴谷に続けと言わんばかりに一緒に出撃したメンバーが次々と来店。結局、出撃メンバー全員が来店し、全員が食べていたカレーを注文。
たちまち作り置きのカレーは無くなった。その翌日には昨日のカレーの噂は広まり、毎週金曜の店の開店時刻には行列まで出来るようになっちまった。ったく、ウチはカレー屋じゃねえっつの。

 まぁ、「毎週金曜は昨日のカレーの日にします」なんて張り紙した俺も悪いんだが。
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