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Three Roses
第二十二話 大学その十五

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「ない、灰色ならばな」
「時として味方になってもらい」
「そして敵に回るかも知れない」
「その時と場合によって」
「そういうことですね」
「そうなる、あの王女についてはな。しかし」 
 太子の読みはさらに進んだ、その読みのまま言うことはというと。
「あの王女は野心はない」
「そういえば」
「無欲な方です」
「贅沢とも無縁で」
「近頃服は凝っておられますが」
「特にそれ以外には」
「建築や食事も質素です」
 側近達も気付いた。
「権力にもです」
「然程執着は感じられません」
「そうした方ですね」
「非常に無欲です」
「しかも自身の姉である我が妃を立てている」
 太子はこのことも指摘した。
「それならばだ」
「こちらが何かせずとも」
「玉座を譲ってくれる」
「そのこともですね」
「有り得るのですね」
「そうかも知れない、このことは見極めよう」
 これからというのだ。
「だとすれば彼女は敵にはならない」
「玉座についても」
「そちらのことについても」
「新教徒をどう扱うかだけだ」
 彼女が旗印であり盟主となっているこの国の主流派がというのだ。
「そのことだけだ」
「では」
「このことはこれから見極め」
「そのうえで」
「考え動かれますか」
「そうするとしよう」 
 こう言ってだ、太子はこれからのことも見ていくのだった。全ては帝国彼の国のとそこにいる民の為にそうしていた。その国の次の主として。


第二十二話   完


                         2016・8・28
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