497部分:第七十話 先手その二
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第七十話 先手その二
「あの男の相手となるとな」
「ですね」
運転しながらダンテが応えてきた。
「八大公の相手となると」
「そうだ。八大公の相手は黄金聖闘士しかいない」
アイオリアの言葉もさらに強いものになった。
「光の動きを持ちセブンセンシズを持っているのだからな」
「ということはつまり」
「八大公は黄金聖闘士と同等の力ってことですか」
「そんなに強いんですか」
青銅の者達はそれぞれ真剣な顔になって述べた。
「じゃあ俺達にはですか」
「あいつの相手は」
「止めておくべきだ」
それを止めたのはダイダロスだった。
「絶対にだ。さもなければ死ぬことになる」
「その通りだ」
今度はダンテも彼等に言ってきた。
「御前達はお前たちのできることをやるのだ」
「俺達のですか」
「やれることを」
「さもないと倒れることになる」
ダイダロスの言葉はこれまでになく厳しいものになった。
「それはわかっておくことだ」
「間違っても八大公にはか」
「向かうなってことか」
「他の狂闘士達にもだ」
ダイダロスは八大公達だけではないとも言うのであった。
「その者達についてもだ」
「実力を見誤らず」
「戦えか」
「無論恐れてはならない」
ダイダロスはこうも言った。
「恐れるということはだ」
「ああ、それはな」
「ないさ」
こう返す彼等だった。今度の言葉はこれまでになくはっきりしていた。
「俺達だって聖闘士だからな」
「それは絶対にな」
「それを聞いて安心した」
ダンテは運転しながらまた彼等に告げた。
「恐れては戦うことはできない」
「だからな」
「それはな」
「恐れを知ることもな」
ダンテはこうも言った。
「それも大事だ」
「えっ、恐れをって」
「どういうことなんだ?」
「つまりだ。あれだ」
ここで彼は青銅の者達に話した。
「恐れを知ってこそ恐れなくなるのだ」
「恐れを知ってこそって」
「そういえば修業時代に言われたな」
「そうだよな」
彼等もその修業時代にそれぞれの師匠達等から言われたことを思い出すのだった。
「そういうのよくな」
「ああ、言われたよ」
「恐れを知れってね」
「恐れを知るからこそ恐れなくなる」
ダイダロスも言った。
「それが我等聖闘士なのだ」
「何か狂闘士の奴等は恐れを知らないらしいが」
「あれは一体」
「それがあの者達なのだ」
ダンテがまた言ってきた。
「そして狂った様に死ぬまで戦う」
「だから狂闘士ってわけだな」
「それでか」
「アーレスは恐れを知らない神だ」
ダイダロスの言葉である。
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