496部分:第七十話 先手その一
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第七十話 先手その一
先手
アイオリア達は車で先を進み続けている。今は実に穏やかであった。
「まあそのうちですね」
「来るでしょうね」
青銅の者達がくつろぎながらアイオリアに声をかけていた。
「あの連中も」
「またわんさと来て」
「インプ達が来るというのだな」
アイオリアはその彼等に対して言葉を返した。
「あの者達が」
「はい、また」
「来るんじゃないですかね」
そうだと返す彼等だった。
「何時来てもおかしくないですよ」
「奴等のことですから」
「何時来てもおかしくないのは間違いない」
それについてはアイオリアも否定しなかった。
「それはだ。だが」
「だが?」
「何かあるんですか?」
「出て来るのはインプ達だけとは限らない」
こう言うのだった。
「彼等だけとはだ」
「っていいますと」
「他に誰かがですか」
「来るっていうんですね」
「というと」
それを聞いてだった。彼等はいぶかしむ顔になってそれでまた言うのだった。
「誰が出て来るんですかね、それだと」
「雑兵じゃないっていうと」
「あれですか」
「そうだ、あの者達だ」
アイオリアの声がより確かなものになった。
「出て来てもおかしくはない」
「そうですか、奴等がですか」
「出て来てもですね」
「これまでの戦いもそうだった」
また言うアイオリアだった。
「それならばだ。何時出て来てもだ」
「言われてみれば確かに」
「それもまた」
青銅の者達もまた真剣な顔になってきていた。
「充分に有り得ますね」
「その通りですね」
「そうだ。誰が出て来てもだ」
アイオリアの言葉は続く。
「いいように心構えはしておくべきだ」
「そういうことですね」
今はダンテが運転している。従ってダイダロスがアイオリアの側にいてそのうえで彼の今の言葉に対して頷いてみせたのだった。
「魔神達を司る狂闘士達が出て来てもおかしくはありません」
「特に八大公の一人」
アイオリアは言った。
「アスモデウスもだな」
「その力は星の力だとか」
ダイダロスはそのサリアの力について述べた。
「元々アスモデウスはその身体を流星に変えることのできる魔神でした」
「流星にか」
「そうです。それにより天から地上を移動していたのです」
ダイダロスはこのことを知っているのだった。
「だからこそあの男もまた」
「星の力を操ることができるのだな」
「そういうことです」
まさにそうだと述べるのであった。
「ですから。御用心下さい」
「わかった」
彼の今の言葉に強く頷くアイオリアだった。
「それではだ。あの男と対する時はだ」
「えっ、アイオリア様がですか」
「アスモデ
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