495部分:第六十九話 アイオリアの選択その七
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第六十九話 アイオリアの選択その七
「そのお心は」
「俺は別にそんな大層なことは言っていないが」
「そう言えることこそがです」
ダイダロスはあくまでアイオリアに対してこう告げる。
「素晴らしいのです」
「そうなのか」
「そうですよ」
ダンテもここでまた彼に話した。
「凄いですよ、本当に」
「ああ、済まない」
ここでそのソーセージと目玉焼きを出してきた。ソーセージの量は多く目玉焼きも見れば何個も同時に焼いている。ボリュームは如何にもオーストラリア風であった。
そこに野菜ジュースとパン、それでデザートが付く。ボリュームは相当なものであった。
アイオリアはそういったものを食べながら。満足した声で言った。
「美味いな」
「有り難うございます」
「本当に贅沢だ」
そしてまた言うのであった。
「ダンテの心が食べられるのだからな」
「有り難き御言葉」
「それでだが」
彼はここでさらに言うのだった。
「一つ聞きたいことがあるのだが」
「何でしょうか、それは」
「御前達や青銅の者達も分もあるのだな」
問うてきたのはこのことであった。
「それはどうなのだ?」
「はい、あります」
その問いにすぐに答えたダンテだった。
「御安心下さい」
「そうか。では青銅の者達も起こすか」
「そうですね。いい時間ですし」
「それでは」
アイオリアのその言葉に頷きダンテが四人を起こした。そうしてそのうえで彼等に対してもその贅沢な食事を食べさせるのであった。
「ああ、朝飯か」
「何か美味そうだな」
「いや、晩飯だ」
アイオリアは起きたての彼等に微笑んで告げた。
「そして美味いのは事実だ」
「そうなんですか。美味いんですか」
「それじゃあ」
「贅沢な食事だ」
彼等にもこう話すアイオリアだった。
「皆喜んで食べるといい。心がこもった食事だからな」
「心ですか!?」
「っていうと誰の心が」
「食べればわかる」
今はそれは話さないアイオリアだった。
「食べればだ」
「そうですか、じゃあ」
「頂きます」
「しかし。贅沢とはそういうことなんですね」
ダンテはあらためてアイオリアに問うた。椅子を持って来てそのうえで彼の向かい側に座ってそのうえで彼に対して声をかけたのである。
「心ですか」
「どれだけ高い食材や立派な料理人が作ったとしても」
アイオリアは彼に応えてまた言うのだった。今度はパンを食べている。
「そこに心がなければだ」
「何にもなりませんか」
「そうだ」
まさにそうだというのである。
「俺はそう考えている」
「成程」
「そういうことですか」
「だからこれは贅沢だ」
何度もこう言ってみせるのだった。
「極めてだ」
「贅沢ってそういう
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