ガンダムW
1523話
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何というか……幾つもの円が組み合わさったような装置だった。
これで動き回って耐G訓練をするのだろう。
ちなみに、原作ではノインが教官をしていた訓練所では擬似的な無重力空間を作っていたな。
あれに比べると随分と安上がりだが……ロームフェラ財団というバックがあるのと、一人の科学者……それも、ロームフェラ財団から逃げ出した者の差というのは大きい。
どうしても資金力に差が出てくるのは当然だろう。
とにかく、どれだけ資金や技術が使われていようが、俺にとってはこの程度の耐Gはどうという事がないのは事実だ。
ハワードが言う通り、椅子に座ってシートベルトを締める。
もっとも、このシートベルトも普通に車についているような物ではない。
二重、三重に身体を固定するシートベルトは、それだけ俺が座っているこの椅子が激しく動くという証拠なのだろう。
ふと見ると、ハワード以外にもこの船で働いている者達が興味深げに……それでいて、どこか哀れみを浮かべて俺の方へと視線を向けていた。
……哀れみ? と一瞬疑問に思ったが、恐らく普通の人間ではこの耐G訓練に耐えられないのだろう。
そう考えれば、哀れみの視線を向けられてもおかしくはない気がする。
もっとも、その視線もすぐに消えるんだろうがな。
しっかりとシートベルトをしているのを確認し、ハワードに頷く。
相変わらずサングラスをしているので、その表情を見抜く事は出来ない。
だが、それでもハワードが俺を試そうとしているのは十分に分かる。
ハワードにとって、俺という存在はイレギュラー以外の何ものでもないのだろう。
そもそも、トールギスはノーマルの状態でも普通のパイロットには扱えない機体だというのに、スーパーバーニアを更に強化して欲しいと言ってるのだから。
だが、そのイレギュラーがもし本当だったら。
そうなれば、ハワードにとっても予想外の幸運といったところか?
元々技術者というのは、自分が作った物を使いこなしてくれる人がいてこそだ。
だからこそ、ハワードも多分有り得ないと理解しながらも、こうして俺に耐Gの試験を受けさせる気になったんだろうし。
『では、始めるぞ』
目の前にあるモニタにハワードの姿が映し出される。
これは、耐G訓練を受けている俺の限界が近いかどうかを判断する為のものだろう。
当然ながら、このコックピットを模した椅子が動き回っている状態で、外から俺を確認するような事は出来ない。
下手をすれば、その辺の確認ミスで耐G訓練を受けている者を殺してしまう可能性すらあるのだ。
であれば、こういう設備も必須なのだろう。
ハワードの言葉に頷くと、こちらの様子を見逃さないように……具体的には俺が耐G訓練で骨を折ったりした時、すぐに分かるようにし
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