逆ギレかよ
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全に寝坊してしまった。
「ヤバい!!今日は依頼に行くって言ってたのに!!」
サクラに経験を積ませることも兼ねてみんなで依頼を何かしてみようと話していたんだけど、その当日に言い出した人物が遅刻するなんて笑えない。パジャマを脱いだ後、タンスから急いで今日着る服を取り出してそれを身に纏っていく。
「ご飯はいいや」
朝食なんて食べている時間はない。なので、パンを一切れ口に食わえて家を出る。
「ウェンディたち起こしてくれてもよかったのにぃ!!」
起こされたことなんて全然知らない俺は文句を言いながらギルドに向かって走っていく。人が多い時間帯なのか、街にはたくさん人がいてその間を縫って走っていく。だけど、その際あることを疑問に思った。
(なんでみんなこっちを見てるんだ?)
通り過ぎていく人の大半が俺の方を見ている。特に男の人がこっちをずっとガン見しており、お母さんたちは子供の目を抑えている人までいる。
(気にしなくていいか)
なぜ俺の方をじっと見ているのか原因を突き止めたいところではあるが、気にしているほどの余裕はない。もう完全に遅刻なのは確定なんだけど、それでも少しでも早くギルドに着いておきたい気持ちがある。
足取り軽く、視線を掻い潜りながら走っていると、ようやくギルドが見えてくる。予想よりも早く着いたことに頬を緩ませると、ギルドの前に一人の人物を見つけて顔が強張る。
「オハヨーございます!!シリル先輩!!」
屈託のない笑顔で出迎えくれたのは俺の弟子になることになったサクラ。今日の寝坊の原因を前にド突きたい衝動に刈られるもなんとか堪える。
「おはよ、サクラ」
無理矢理に作った笑顔で返事をすると彼女は嬉しそうな笑顔を見せる。ただ、純粋であるがゆえに人の気持ちを汲み取れないところもあるの笑顔は、悪魔の微笑みのようにも感じられる。
「遅かったですね」
「お前のせいでな」
乱れた呼吸を両膝に手をつきながら整える。ずっと全力疾走で来たから本当にキツかった。今度からはもう少し早く帰らせてもらうことにしよう。
「今日からはあんな遅くまで付き合わないからな」
「そんなことよりシリル先輩」
食い付いてくるかと思ったら何事もなかったかのようにスルーされちょっと驚く。サクラも以外と物分かりがいいのかな?なんて思っていた時期が俺にもありました。
「ズボン履き忘れてますよ?」
「・・・え?」
視線を下げると下にパンツ以外何も履いていなかったことに気付き、恥ずかしさで震える。もしかして・・・街の人たちが俺のことをずっと見てたのって・・・
「パンツ黒なんですね!!てっきり白とか穿いてるんだと思ってました!!それでどうします?今から街の人に見られながら家まで戻ってズ
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