暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
長門?ながもん?
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呑ん兵衛の俺としては日本酒と合わせたい所だ。

「ホレ、乾杯。」

「……ん。」

 軽くぐい飲み同士をぶつける。何ともムーディーな空間だな、と我ながら思う。いい女といい酒を酌み交わしながら二人きり。いやぁ、素晴らしいシチュエーションだ。……アレ?これマジで告白なんじゃ?そんな気もしてきた。まぁまずは、長門が自分から話し出すのを待とうか。

 鯖の塩焼きを平らげ、越乃寒梅もぐい飲みで3杯程煽った。そろそろ、魚の脂と酒で舌が回りやすくなった頃合いだろう。

「……で?相談てのは何だ?」

「あ、あぁ。実はな……」





「ギャハハハハハハ!ヒーッヒーッヒーッ!!は、腹痛い、た、助けて……!!」

「わ、笑い事ではないっ!私にとっては由々しき問題なのだ!!」

「だ、だってよぉ……!!」

 いきなり見苦しい所を見せてしまった。でも、ご容赦頂きたい。長門の相談、それは。

『ワインが飲めるようになりたい』

 だったのだ。これが笑わずに居られようか。だって、あの長門だよ?いつも凛々しく、艦隊総旗艦とか呼ばれちゃったりする長門がよ?ワインが飲めるようになりたいから協力してくれ、だって。笑い死にさせる気かっての。

「で?なんでいきなり艦隊総旗艦(笑)様は、ワインが飲めるようになりたくなったんだ?」

「そ、その……実はな……」


 数日前・居酒屋『鳳翔』にてーー…

『見てみて、長門さんよ!!』

 1人で鳳翔さんの店で刺身と酒を嗜んでいた時、後ろから第六駆逐隊の4人の声がしたのだ。

『はわわわ、1人酒なんてオトナなのです?』

 フフフ、私がオトナか。憧れて見えるか。胸が熱いな?最初はそう思っていたのだ。だが……

『きっと長門さんはレディーだから、色んなお酒を飲めるのよね、きっと!!』

 ん?暁よ。いきなり何を言い出す。私は確かに呑むのは好きだが、あまり多種多様な酒は飲まないぞ?

『……なら、どんなお酒を飲めるのが、暁はレディーだと思うんだい?』

『う〜ん……あ、よく熊野さんや武蔵さんが飲んでるワインなんかどうかしら?』

『そうね!ワイングラスをお洒落に使いこなして飲めるのはとってもオトナな感じね?』

『ハラショー。それは確かにレディーに見えるな。』

 な、何…だと……?私よりも熊野や武蔵の方があの幼くも可愛い彼女達の憧憬と尊敬を集めていたと言うのか……?まさか、そんな。私は足下がガラガラと崩れ落ち、奈落の底へと堕ちていくような錯覚さえ覚えた。それほどにショックだったのだ。だから、何としても私はワインを飲めるようにならなければならんのだ!!

「はぁ。」

 俺から出てきた言葉は、それだけだった。相当重症に拗らしてやがる
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