第三十七話 三年生なのでその十二
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「八条大学でもいいけれどね」
「そっちも考えてるわよね」
「一応はね、けれどね」
「第一は、なのね」
「そう、天大よ」
「そうなのね」
「専修科とかもあるけれど」
こちらは天理高校からの人は少ないです、本当に教校学園高校から行く子が主になっています。
「第一は天大よ」
「そうなのね」
「そう、とにかく教会を継がないとね」
いいか悪いかは別にして私は将来が決まっています、お友達とこうしたことをお話したのでした。それでお昼御飯を食べてです。
ちょっと三年生の校舎を出てグラウンドの前を歩いているとでした、前から。
阿波野君が来てです、私がまた?と思う前に彼から声をかけてきました。
「先輩、こんにちは」
「はい、こんにちは」
満面の笑顔の彼にむっとした表情で挨拶を返しました。
「全く、今日も会ったわね」
「お引き寄せですね」
「どういったお引き寄せなのかしら」
笑顔のまま私の横に来た阿波野君を目で見ながら言うのでした。
「最近毎日阿波野君と会ってるじゃない」
「入学してからですか」
「殆ど毎日ね」
「やっぱりこれがお引き寄せですね」
「何処かで絶対に会うから」
校内でなくてもおぢばの何処かで、です。
「迷惑なことよ」
「僕は全然迷惑じゃないですよ」
「私は迷惑なのよ」
「意地悪とかしないですよ」
「意地悪は問題外よ」
それこそです。
「そうした性格はね」
「世の中意地悪な奴とかいますからね」
「ええ、そんな人はね」
間違ってもです。
「おみちとして間違ってるから」
「はい、僕もそう思います」
「阿波野君は確かにそうした子じゃないから」
「いいんですか」
「色々と悪いところあるけれどね」
いい加減で能天気で、です。しかも妙に馴れ馴れしいですし。
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