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おぢばにおかえり
第三十七話 三年生なのでその十一

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「凄くね」
「あの人にもよくしてもらったのね」
「ええ、何かと」
「確か佐野先輩って大教会ちっちと同じよね」
「あっ、違うの」
「違うの?」
「あの人は木花なの」
 佐野先輩の大教会はこちらの大教会です、大阪市にあります。
「元々は奥華だったけれど」
「ああ、奥華から分かれて」
「そう、大教会になった大教会だから」
「つまり分かれってことね」
「そう、だから一緒の大教会じゃないの」
 系列は同じ奥華でもです。
「佐野先輩とは」
「そうなのね」
「ええ、ただ佐野先輩も教会の娘さんでしょ」
「そうそう、広島の方の」
「ひょっとしたら佐野先輩とはもっと深いお付き合いになっていたかも知れないわ」
「昔だったら」
「同じ奥華のままだったらね」
 本当にそうなっていたと思います。
「奥華って広島にも教会多いから」
「島の方によね」
「瀬戸内のね」
 広島県は島も多いです、江田島とかが有名だと思いますけれど奥華の教会はそうした瀬戸内の島に多いんです。
「古い教会も多いの」
「そうなのね」
「佐野先輩には大教会を越えてよくしてもらったけれど」
 あの人にもです。
「今も感謝してるわ」
「そういえばあの人も天理大学よね」
「長池先輩と一緒でね」
「それでちっちも天大ね」
「目指して勉強中よ」
 このことは本気でしています。
「一年の頃からそうしてるつもりだけれど」
「他の大学とか進路は考えてないのね」
「教会の娘だからね」
 跡を継がないといけないからです、何につけても。
「そこはね」
「さっきお話した通りなのね」
「大学は天大が一番なの」
 おみちを勉強するにはです。
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