493部分:第六十九話 アイオリアの選択その五
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第六十九話 アイオリアの選択その五
その中でも車は走り続けている。ダンテは目を覚ますとダイダロスに対して問うた。
「今はどの辺りだ?」
「丁度中間点だ」
その辺りだと答えるダイダロスだった。運転はそのまま続けている。
「今はな」
「そうか。その辺りか」
「まだ先だ」
また言うダイダロスだった。
「数日はかかるな」
「わかった。それではだ」
ここまで話を聞いてダンテはここで言ってきた。
「運転を代わろうか」
「あと数時間ある」
しかしダイダロスはこう彼に返すのだった。
「だから今はいい」
「いいのか」
「それよりもよく眠れたか?」
逆に彼から問うのだった。
「休んでいる間。どうなのだ」
「ああ、それはな」
気遣い無用だというダンテだった。
「よく休めた」
「そうか。それならいい」
「しかし運転はまだいいのだな」
「それはいい」
また言うダイダロスだった。
「食事でもしておくことだな」
「そうだな。そうさせてもらうか」
「丁度ソーセージがあったな」
「羊のな」
「それとパンに飲み物だな」
「野菜ジュースがあるな」
車の中の冷蔵庫を開ける。するとそこには実際に野菜ジュースが多量にあった。
「確かアイオリア様が買われているものだったな」
「アイオリア様は健康志向だからな」
「ああ、こうしたものがお好きだな」
「実際に味もいい」
どうやらダイダロスは野菜ジュースが好きなようである。それは今の言葉から窺えるものであった。
「ソーセージは茹でてだ」
「そしてあとは目玉焼きでも作るか」
見れば冷蔵庫の中に卵もあった。
「それで軽くな」
「何処か朝食みたいな献立だな」
「だが量が多ければ立派な夕食だ」
そうなるというダンテであった。
「それでな」
「それもそうか」
「野菜ジュースの他に何か野菜が欲しいな」
「オレンジとキーウィがある」
ダイダロスは運転しながらまた彼に告げた。
「デザートにどうだ」
「そうだな。それでビタミンを採るか」
「そうするといい」
「何かそれだけで充分だな」
ここまで話して満足した顔で調理にかかるダンテだった。周りはまだ寝ている。
そして調理をしながら。ダイダロスに言ってきたのだった。
「それでだ」
「どうした?今度は」
「御前の分も作っておくぞ」
こう彼に告げるのだった。車の端のキッチンでソーセージを茹で目玉焼きを作りながらだ。
「それでいいな」
「済まないな」
「あとアイオリア様達の分も作っておくか」
彼等の分も考えているダンテであった。
「人数分な」
「そうしてくれるか」
「一人で食べるよりは全員で食べた方がいい」
そしてこんなことを言うのだった。
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