第三十二話 長崎での日常その六
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「力士さんって」
「そうよね」
「それで軽い位よ」
「百キロ超えてるけれど」
今の優花三人分ならというのだ。
「それで力士さんとしては」
「軽い方だから」
「じゃああの小錦さんは」
「優花っち六人位?」
「それ位なの」
「あの人は特別だったけれど」
小錦はというのだ、かつての人気力士で力士の中でもとりわけ巨漢であったことで当時から知られていた。
「それでもね」
「普通の力士さんは」
「大きいものよ」
「体重も」
「背もね」
そちらもというのだ。
「二メートルあるのが」
「普通なのね」
「優花ちゃんとは五十センチ以上違うわね」
都島も言う。
「それこそ」
「そうよね」
「そこまで大きいと」
それこそと言うのだった、優花に。
「優花ちゃんを片手で担ぎ上げるとか」
「普通?」
「普通に出来るわよ、力も強いし」
力士という名前通りというのだ。
「あの人達なら」
「ああ、蓮見ならな」
「あの人達だったら出来るよな」
男子生徒達もこう言う。
「大きさが違うからな」
「何といっても」
「確かに蓮見小さいし」
「あの人達は特別大きいからな」
「小さいと」
その優花の言葉だ。
「投げられることもあるのね」
「いや、そうした人もそういないからな」
「人を投げられる人とかな」
「昔アストロ球団とかいう漫画であったけれどな」
「人間投げてホームランボールキャッチとか」
「あったけれどな」
しかしというのだ。
「それ漫画だからな」
「漫画だから出来ることだからな」
「普通の人は出来ないからな」
「それこそ」
「そうなのね」
優花は男子生徒達の話を聞いてまた言った。
「幾ら私が小さくても」
「小さくてもそれでもな」
「人投げられる人なんて滅多にいないからな」
「その漫画も相当変な漫画だったしな」
「野球なのに人死んだりな」
激しい試合のあまりそうなっていたのだ、数多くの必殺技が炸裂し合い一試合に相当な時間がかかっていた。
「というかホークスにあの漫画のキャラ入って欲しいな」
「だよな、一人でもすげえ戦力だぜ」
「誰でもいいから来て欲しいな」
「本当にな」
「あっ、九州だから」
男子生徒達がホークスの話題をすることからだ、優花はこのこともわかった。
「ホークスなのね」
「ええ、そうよ」
「こっちはホークスよ」
二人も優花に答える。
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