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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百七話 幕間狂言
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だから同盟との間で協定を結んでフェザーンの進駐を認めたようだ。大勝利だ! 戦争せずにフェザーンを手に入れた。これで同盟はイゼルローンとフェザーンの両回廊を手に入れた! 母さんも喜んでいる。でも騒いでいたら早く寝なさいと母さんに怒られた。
一月二十日
一夜明けてフェザーンの詳しい様子が分かってきた。フェザーンには第三艦隊がいるようだ。他の艦隊はハイネセンに戻ってくるらしいけど大丈夫かな。帝国軍に奪回されちゃうんじゃないかとちょっと心配だ。
ルビンスキー自治領主は逃亡したようだ。でもきっと直ぐ捕まるだろう。黒狐なんて呼ばれていい気になっていたみたいだけどザマーミロだ、戦争で儲けるフェザーンの拝金主義者め。
これを機会にフェザーンからはお金を返してもらおうという意見もある。良い事だと思う。いざとなったらフェザーンなんて占領しちゃえばいいんだ。帝国に返す事なんて無い。
電子新聞はどれもトリューニヒト議長を物凄く褒めている。帝国の内乱を上手く利用してフェザーンを手に入れた、歴代議長の中でも最高の議長だ、そんな調子だ。僕もそう思う、最高の議長だ。
一月二十一日
トリューニヒト議長が記者会見でフェザーンはいずれ帝国に返す、同盟も帝国もフェザーンの中立を尊重する事は変わらない。今回の進駐はルビンスキー自治領主が中立を破った事が原因だと言っていた。
議長はフェザーンを同盟領にする気は無いようだ。帝国との間で結んだ協定は遵守すると言っていたし不満を言った記者に対して国家には信義が必要でその信義を失うとフェザーンのようになると言っていた。
僕は占領しちゃえば良いと思っていたけど、議長の会見を見て偉くなる人はやっぱり何処か違うんだなと思った。凄くかっこよかった、TVで何度もそのシーンが流れたけど何度見てもかっこよかった。
トリューニヒト議長によると内乱終結後、捕虜を交換しフェザーンを帝国に返還することになるだろうと言っていた。フェザーンは名目上帝国の自治領なので帝国に返す事になる。
ボロディン統合作戦本部長もフェザーンを返す事に賛成らしい。今の同盟には両回廊を守る戦力はないと厳しい表情で言っていた。フェザーンは中立であったほうが同盟のためには良いそうだ。残念だ、皆そう言っている。
一月二十八日
最近また出兵論が出ている。イゼルローン、フェザーン両回廊を得たから帝国の混乱を長引かせたほうが同盟のためになるという意見だ。そしてフェザーンを占領して同盟の経済を再建する。僕はあまりこの意見には賛成できない。この意見だと捕虜交換が無いからだ。クラスの皆も捕虜交換をするべきだと言っている。
こんな意見が出るのも反乱を起した貴族達が大きな兵力を持っているかららしい。ガイエスブルク要塞には十万隻以上の艦隊が集ま
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