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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百七話 幕間狂言
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しい。そしてレンテンベルク要塞? を攻略したそうだ。
重傷だって聞いてたけどやっぱり嘘だったんだ。お得意の謀略で敵を油断させ、おびき寄せて破った。僕の周りも皆そう言っている。本当に油断できない奴だ。
ヴァレンシュタイン元帥が健在だと分かったので出兵論はもう誰も支持しないだろうと学校で先生が言っていた。元々捕虜交換をするまでは戦争するべきじゃないと言う意見が強いらしい。
先生によると世論調査では七割の人がそう考えているそうだ。元帥が健在だと分かったのでもう少しその比率が高くなるんじゃないかと言っていた。僕も同感だ、クラスの皆も同じように考えている。
クラスの中にも家族が捕虜になっている子が居る。早く捕虜が帰ってくると良いと思うけど、それには内乱が早く終わる事が必要になる。出来れば帝国の混乱は長引いて欲しいからちょっと複雑だ。
その所為だろう、家族が捕虜になっている子達は余りこの事を話そうとしない。ちょっと可哀想だ、家族が戻ってくる事を話せないなんて。できれば内乱が始まる前に捕虜を帰して欲しかった。そうすればこんな事にならなかった。その代わりに帝国の内乱には付けこまないとか約束出来なかったのかな。
一月 五日
年が明けていきなり大ニュースが帝国から飛び込んできた。帝国の宇宙艦隊副司令長官、ローエングラム伯が反逆を起したのだ。いや、正確には反逆を起したという罪で捕らえられたようだ。何でも皇帝になろうとしたらしい。
ローエングラム伯といえばヴァレンシュタイン元帥の前に宇宙艦隊司令長官だった人だ。第七次イゼルローン要塞攻略戦で大敗北して副司令長官に降格された。その事に不満でもあったのかな。
ローエングラム伯は辺境星域の平定に向かっていたらしい。その人が逮捕されたとなると辺境星域の平定はどうなるのだろう。内乱は長引くんじゃないかと皆が言っている。家族が捕虜になっている子達は皆悲しそうだ。
母さんも困った事だと言っていた。こんな反逆は帝国だから起きる事で同盟では起きない。だから帝国は良くないんだ、と言っていた。全く同感、ヴァレンシュタイン元帥も皇帝になりたいのかな。その事を母さんに聞いたら、元帥は平民だから無理ねと笑っていた。
一月十九日
またまた大ニュースだ。夜遅く、寝る間際になってTVに流れた。本当にびっくりした。同盟軍がフェザーンに進駐した! なんでもフェザーンのルビンスキー自治領主が帝国に敵対行為を取ったと言う事で帝国が怒ったらしい。
帝国は四個艦隊をフェザーンに送ったんだけど、それを知った同盟も密かに三個艦隊を送って帝国を牽制したらしい。そのままだったら帝国と同盟でフェザーンをどちらが取るかで戦争になるところだった。だけど帝国は内乱が起きているからフェザーンで戦争はしたくなかった。
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