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文字柱
第三章
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 微笑みこう言ってだ。そのうえでだ。
 次の日元就は集められた家臣達にだ。笑みを浮かべてこう言ったのである。
「人柱なぞよりもっとよいことが見つかったぞ」
「あれもですか」
「さらによいことですか」
「そうじゃ。石に文字を刻め」
 元就は家臣達に命じた。
「百万一心。そう刻んでじゃ」
「その石を城の石垣に入れる」
「そうするのですな」
「そうじゃ。文字、言葉には力がある」
 陰陽道やそうしたものからの言葉だった。元就はそうしたことを信じているのだ。
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