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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#25
FUTURE’S MEMORY〜PHANTOM BLOOD NIGTMAREXIII〜
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に単純かつ平凡なもの、
だがそれ故にイルヤンカは漆黒の双眸を大きく瞠った。
「……女、がいるんだよ。
一緒に生きて、一緒に歳くって、一緒に死んでいきてぇってヤツが。
「波紋の呼吸」 を続けてりゃあオレァ若いまんまだが、
そいつは老いて先に死ぬ。
そうまでして長生きしたって意味ねーよ。
少なくとも、オレはそう想ってる」
 照れクサそうに鼻を擦り、歴戦の勇士はイルヤンカをみつめた、
瞳は、較ぶものがないほどに澄み切っていた。
 その心中には、メイド姿の彼女、子供を抱く彼女、少女と戯れる彼女、
ありとあらゆる時間と時代の、様々な彼女が無数に去来した。
「……そんな、理由か?
“たった一人の女の為に”
強大な力も余命も捨て去るというのか?」
「アンタ、嫁サンとか子供、いねーの?」
「……」
 目の前に聳える巨竜ではない、あくまで一人の 『男』 として、
ジョセフはイルヤンカに訊いた。
「……そっか、居れば解るんだけどな。
“ソレ以外何も要らねー” って気持ちが」
 実感はない、が、理解は出来た。
“アイツ” がおそらく、そうだったのだろう。
 だから、敵であるにも関わらず、何がなんでも手に入れようとした。
 それを見届けた女同様悲恋に終わったが、
結果など、どうでも良かったのかも知れない。
(静かに眠れ、我が友よ……
もう、お前を起こす者は誰もいない)
 死の淵から甦った自分同様、
“アイツ” もいつか統世王の血で復活させようと想っていたが、
ソレがまるで無意味なコトをイルヤンカは(さと)った。
 抱くべき “彼女” のいない世界を、
アイツが望むべくもなかった。
「礼を言うぞ、人間の戦士。
答えの出なかった疑問に、一つ決着がついた」
「あぁ、そうかい」
 男同士だけに解る、静かに冷たい同調を噛み締めながら、
巨竜と波紋使いは眼を閉じた。 




   ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
  ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ッッッッ!!!!




 しかし、いずれにせよ勝者はただ一人。
 吸血鬼と波紋使い、喰らう者と喰らわれる者、人間と紅世の徒、
お互い、相容れる要素は一切無い。
()くぞ!! 波紋使いジョセフ・ジョースター!! 
誰で在ろうと、我等が 『壮挙』 の邪魔はさせんッッ!!」
「年寄りはあの世で茶でも(すす)ってな!!
誰かの(しるべ) がなくても、人間(オレ達)は生きるッッ!!」
 決して譲れない、不屈の信念、不滅の意志。
 背負っているモノは同じ、大切な者も同じ、秘めた覚悟も勿論同じ。
 だから憎み合う、だから解り合う、だから、戦う
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